『Twins&Lovers』-173
「続き……して……」
ささやくような、催促。そういえば、ずっとひとみの中に収まったまま、いつのまにか動かなくなってしまっていた。
下半身に意識がいくと、途端に官能の種火が大きく炎を吹く。めらめらと官能を焦がし始めたその炎が身体中に散って、さらに温度を高めた後に勇太郎の腰へ集まってきた。
「最後まで、いくからね……」
「うん……」
勇太郎は、少しずつ腰の律動を再開する。やや湿りを失っていたぬかるみはたちまち熱気を帯びて、胎内に居座っていた勇太郎を愛撫し始めた。
「は、はぁ……あっ……はっ……んぅ、んっ……んんっ…」
ため息にも似たひとみの呼吸は、その律動が強まっていくのに合わせて、次第に甘さと熱さを内包してゆく。突き上げられるリズムにあわせて、腰が動いてしまう。
「あっ、あっ……んんっ、んくっ、あ、あ、ああっ、あんっ、んふっ、あふっ！」
ぐじゅ！
「あ、あうぅぅぅぅ！！」
ひときわ深く胎内を貫かれて、ひとみはついに本能を剥き出しにした。
「ふ、ふかい！ あ、あああぁぁぁ！ ん、んんん！ あんっ、あんっ、んひゃっ！」
「っ…っ…っ…」
「も、もっと！ いいよっ！ ゆうたろう、もっとはげしくしても！！ あ、あ、ああぁぁぁぁ！！」
「ッ」
「ひゃあぁぁぁんっ！！ つ、突いてっ！ 突いて！ 突いて！！ 突いて！！！」
ずむっ、ぐじゅっ、ぐじゅっ、ぐじゅっ――――……。
「そ、そうっ！ ゆ、ゆうたろう、もっとしてっ！ もっと、もっと、もっと！！」
何を求めて、彼女は乱れるのか。……そんなことは、些細な問題でしかない。
「あ、ああぁぁぁ！！ そ、そうよっ！ あんっ、んんああぁぁぁっ！」
勇太郎もまた、本能に全てを委ね、痺れるような愉悦に身を晒しているのだから。
誘われるまま、望まれるまま凝結した欲望を柔らかい場所へ叩きつける。その剣先は、さらなる深みの神秘の扉に届こうとしていた。
「お、奥まで！ 奥まで突いて！ 溶かして！ 壊して！ めちゃめちゃにしてっ！！」
ぐちゅぅっ！
「んんあああああぁぁぁぁぁぁ！！！」
大きく背中が反った。勇太郎が、本当に奥深くまで侵入してきたからだ。陰唇がその圧力に耐えかねて、媚肉を盛り上がらせ、愛蜜を溢れさせた。
「くっ」
粘膜の絡まりは最高潮だ。とてもぬかるみの中とは思えないほど、強烈な圧力で勇太郎にしがみついてくる。まるで、業の深さを責めるように、しかし、その欲望を煽りながら。
「くぅ、くっ！」
煽られるまま、激しく律動する。もはや、勇太郎の中にある本能を縛る鎖など、木っ端微塵に粉砕されていた。
「い、いいよっ！ す、すごいの！ ぐちゃぐちゃに、なっちゃう！ わたし、おかしくなっちゃうっ！！」
「っ！ っ！ っ！」
「おかしくなる！ ダメっ！ ダメダメダメダメぇぇぇぇぇぇ！！」
びくびくびく！
ひとみの四肢が痙攣し、性の高みに手が届いたことを伝える。
「う、うぅあぁっ！」
しかし、勇太郎は止まらない。なぜなら、彼はまだその高みに届いていないからだ。