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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-172

「ん、んあっ、あっ、ああっ、あうっ、んんんっ!」
 激情に変わった勇太郎の想いが、強く強く叩きつけられる。
「あっ、あ、ああっ、あついよ……あついよ、ゆうたろう……ん、んあっ!」
彼の熱量がどんどんと高まって、それが胎内で大きなうねりを起こす。固く雄雄しく、そして熱い情欲に貫かれ、ひとみは喉を震わせて性情を歌った。
その歌声に導かれ、勇太郎はさらに激しくひとみを愛する。繋がっている絆を、より確かなものにするために。自分に向けられている慈しみと優しさに、心の底から応えるために。
行為だけを見ればそれは、あさましいといわれるかもしれない。しかし、お互いに燃やす生命の力強さを、最も感じられるものだ。
「はぁ……はぁ……ゆうたろう……」
早すぎる昂ぶりを抑えるように、少しだけ動きを緩める。それで余裕が出来たのか、官能に揺らぐひとみが、それでも優しく手を伸ばし、頬をそっと撫でてくれた。
「ひとみ……」
愛しさが、込み上げてくる。涙が、頬を伝った。
「あ、れ…?」
理由は、自分でもわからない。しかし、まるで堰を失ったかのように熱い雫が溢れて止まらなくなった。
「ゆうたろう……」
ひとみが、両手で涙を拭ってくれた。その行為にさえ、勇太郎の胸はつまり、涙腺が緩んでしまう。
「ど、どうしたんだろ……」
「ゆうたろう……?」
「お、おかしいな……どうしちゃったんだろうな………」
「………」
 ひとみは、勇太郎の首に優しく腕を巻きつけると、そのまま顔を近づけた。
 唖然としているその唇に、自分のものを重ねあわせる。柔らかな感触のするその場所は、涙の味がした。
「ん……んん……」
 頬に水滴が落ちてきた。それは、勇太郎の感情が溶け込んでいて、とても熱い。
「ちゅ……ん………んむ……」
やがて勇太郎も、自らひとみの唇の感触を味わい始めた。
「わかった……」
 顔を僅かに離して、勇太郎。
「ひとみが、優しいから……」
「?」
「甘えちゃったんだよ、心が……」
そのまま、身体の重さをひとみに預ける。
「ごめん。甘えるよ………」
「………うん……いいよ…」
勇太郎を受け止める。彼の寂しさを、悲しみを。胸に滲んでいる藍色の感情に、明るい色を混ぜるために。
「……わたし、そばにいるよ」
「?」
「勇太郎が、イヤだって言っても、ずっとそばにいる……だから……」
「………」
「泣かないで、ね」
 再び、唇を寄せる。
「ひとみ……」
 もう、この人を離せない。目一杯の優しさを注いでくれるこの愛しい人が、そばにいなくなることなど、考えたくもない。
「ひとみ……愛してる……だから……」
「うん?」
「そばに、いて欲しい……ずっと、ずっと……」
「うん…」
「おじいさんになっても、おばあさんになっても……」
「うんっ」
淀みのない、彼女の返事。
「ありがとう」
勇太郎は、人の縁を強く感じた。
ひとみとの出逢い。それは、まさしく運命にも似た偶然の連なり。ここにひとみがいて、自分を好きでいてくれること。心から、愛情をくれること。優しさで包んでくれること。
 それを結びつけてくれた、祖父の存在。勇太郎は、全ての出逢いに感謝をした。
「あ、あの……勇太郎……」
「ん?」
 ひとみが、腰をもぞもぞと蠢かす。そして、火照った眼差しを向けてくる。


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