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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-171

「じいさんが、言ってたよ」
「え?」
「ひとみを泣かせたら死んでも許さん、ってね」
「ふふ……」
少し、瞼が熱くなった。郷吉の豪快で爽快な笑顔を思い出したから。
「ひとみ」
 勇太郎の瞳が、自分を射抜く。透き通った、淀みのない輝き。
「勇太郎……」
目を、閉じた。その輝きに引き込まれるように、勇太郎に全てを預けた。
 唇に、暖かさが生まれた。
それは確かな勇太郎の体の温度であり、そして、郷吉の持っていた懐かしい心の温度でもあった。





「勇太郎……勇太郎……」
彼の全てを受け入れて、彼の寂しさを癒すために、ひとみは名を呼ぶ。触れ合う唇から迸る想いは、もう誰にも止めることなどできない。
「はぁ……あ、あふ……」
身体中を流れる、勇太郎への想い。優しく愛撫を受ける全ての場所から、それは血液に乗って全身に散らばってゆく。
「あったかくて……気持ちいいよ……」
 そして、ひとつになっている場所から、彼の生命の鼓動が確かに伝わってきた。
 生きているという実感。満たされているという幸福。
 ひとみにとって、愛する人とひとつに繋がった瞬間は、何にも代えがたい至福の時なのだ。
「僕も……あったかいよ……」
勇太郎もまた、生命の温度に触れたことで、心の底から充足を感じた。
けじめをつけたつもりでいたが、やはり何処かに冷えた部分はあったのだろう。それが、隅々までひとみの暖かさで覆われて、溶けだしてゆくような感覚が広がってゆく。
「どうして、人って、こんなにあったかいんだろうね……」
勇太郎を胎内に迎えたまま、静かな時に身を委ねるひとみ。
「生きているからだよ……」
 勇太郎もまた、生命の渦を感じる場所へ身を沈めたまま、その暖かさにじっくりとたゆたっていた。
「くっ……」
 時折、ひとみの鼓動に合わせて、その渦が強弱をつけた動きをする。勇太郎の剥き出しになっている生命の源が、その渦に飲まれるようにして、大きく弾けようとしている。
「あ、あっ……」
 ひとみもまた、迎えた勇太郎の熱さがわななくたびに、脳内で光が散った。
神は、生命の衝突に、なんとも粋な贈り物を添えたものである。
「ああっ、あっ、んんっ……」
 たまらず漏れ出す、ひとみの艶声。勇太郎が腰を前後するたびに、甘い愉悦が身体中を駆け巡る。
「ひとみ……ひとみ……」
 緩やかなものは次第に速度をあげていく。そのたびに、繋がっている部分から水音が走り、それが自分の身体の高まり具合を教えてくれた。
「ん、んんっ、んくっ……あっ、きもちいい……きもちいいの……」
「僕もだよ……僕もだ……」
律動の中で、荒い呼吸を繰り返す二人。重なり合った生命の温度は、その律動によって更なる熱を生み、そのエネルギーによって二人を高みに運んでいく。
「好き……好きよ……好きなの……」
ひとみが、涙を滲ませて勇太郎に向かって手を伸ばす。
「好きだよ……僕も、好きだ………」
その手を優しく握り締めて、勇太郎はその律動を更に強めた。
「あ、ああぁぁぁぁ!!」
激しい密着。それを示す、熱い迸りが衝突を繰り返す部分で起こる。


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