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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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異変-3

 叫び、力の限りコンクリートのようなガラス窓を叩いたが、もう奈津子は振り返らなかった。やはり向こうからはこちらは見えないし、何も聞こえないのだ。
 室内を見回しても窓を壊せるような道具はない。薬の作用が薄れたせいか体は少し動くようになった。飲んだワインはコップ二杯程度だろうが義雄には多い量だ。酔いがさめない。強烈なめまいと吐き気もある。
 壁を伝いよろめきながらドアに向かった。ノブにもたれかかり、押しても引いてもびくともしなかった。
 足を引きずるようにして戻ると、窓の向こうで奈津子が顔を起こした。義雄は手を振り叫んだ。しかし奈津子の視線はあらぬ方向にある。
 視界に岩井の姿が入った。裸ではなく単衣を羽織っている。
 やはりここは岩井の寝室なのだろう。無意識に足がここに向いた、そんな雰囲気だった。ベッドの端のほうに腰掛け、両手のげんこつをひざの上にのせ、うつむくようにして考え込んでいる。
 岩井は精彩を欠いていた。艶があった顔も今は青白く血の気がない。受けた電話が相当ショッキングな内容だったのだろう。
 シーツのすれる音がすると岩井がはじけるように振り返った。なんと岩井がおびえたような表情を見せたのである。奈津子に視線を当てる岩井の手が小刻みに震える。凍りついたような顔が突然、狂気の表情に変化した。
 勢いよくベッドに上がろうとしたが手が滑って顔面をしたたかに打ち体を弾ませた。はだけた胯間から、ふんどしをだらしなく覗かせ、へっぴり腰で這い上がった。軽々と奈津子を抱いて悠々とベッドにのった剛胆な振る舞いの欠片もない。
 猛然と奈津子の足首をつかんで股を開く。M字に開き、股間に顔を伏せた。太ももの内側をつかみ、奈津子の体を折りたたみ、そこを凝視した。
「もう止めてくれ」
 かれた声をあげるが、たちまち咳き込んだ。視線を向けると涙でぼやけた岩井の巨体が後ろに吹っ飛んでいた。そのままヘッドボードにぶつかった。凄まじい音と共にベッドが揺れる。潤滑剤の入った容器が倒れ、バイブレーターが弾んだ。奈津子が蹴飛ばしたわけではない。自分から飛び退いたのだ。岩井は驚愕の表情を浮かべたままヘッドボートに寄りかかっている。
 あの岩井がこれほどのダメージを受けた内容とは、やはり金や地位に絡む問題か。栄華も散り地に落ち、その後の逮捕までの顛末が見えているのだろう。
 岩井の股間に異変が起こった。ふんどしを押し上げ、山のように盛り上がっている。自分でも驚いているようだ。
 這うようにして奈津子に突進した。足首をつかんで丸めていた体を解くようにして開脚開きにする。ティシューの箱を引き寄せ何枚も引き出して、急き立てられるようにして奈津子の股間をぬぐった。
 ばっと単衣を脱ぎ去り、ぐいとふんどしをずらした。勢いよく飛び出したペニスは天を向いていた。先端からにじみ出た透明の体液が玉をつくり、とろりとたれた。
 挑みかかりワンピースを引き裂いた。悲鳴をあげ、わななく奈津子を無視して乱暴に引きちぎった。全裸にすると足首をつかんでうつぶせにした。腰をつかんで持ち上げ、太ももを両脇に抱え、奈津子の両腕を背にねじり上げて自由を奪った。柔軟な奈津子の体をローマ字のAの形に折りたたむ。膝立ちの岩井は尻のあわいに顔を突っ込んだ。
「そ、そこはもう……アッ」
 首を振って顔全体を谷間に押し込む。そそり立ったペニスは奈津子の顔の前にある。岩井の鼻は完全に尻の中に潜り込んでいた。伸びた手が奈津子の頭部をつかんだ。フェラチオを指示されたと思ったのか――実際そうなのだろう――苦しい体勢のまま自分のひざの裏から手を入れ、あえぎながらもペニスに触れた。その瞬間、岩井は顔を離し、奈津子の腕から手を離した。支えがなくなった奈津子は横倒しになった。
 尻餅をついた岩井は肩で息をしている。シーツの上に萎えたペニスが海牛のようにくねった。


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