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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 就寝 〜-3


 ……。


「消灯時刻は11時です。 ひなはお勉強をするのです、偉い偉い」

 机に向かい、本立てからしっかりした装丁の分厚い本を手にとると、私を手招きした。

「ひなが本を読む時は、あさみちゃんに『フィンガーボウル』をしてもらいます。 どうせCグループの間は部屋にいてもすることありませんし。 わかります?」

「はい!」

 即座に返答したものの、実は全く分からなかった。 フィンガーボウルといえば、西欧料理でパン等を触ったあと、指先についたパンくずを洗うために使う水入れを、確かそう呼んでいたような気がする。 そんな役割と読書に何の関係があるんだろう。

「あの……ええっと……」

「フィンガーボウルって、わかります?」

「『ふぃんがーぼうる』ですよね……す、すいません! よくわからないのに返事をしてしまいました、申し訳ありません!」

 小さくなって頭を下げる。 適当なことをしてしまった。
 きっと引っぱたかれると身を縮めるも、案に反して先輩はウンウンと頷いていた。

「ですよねー。 ひなも先輩から命令された時、さっぱりわかりませんでした。 まあアレです。 本を読んでページをめくるとき、水をつけますよね。 あとはビニール袋をあけるときも、指に水をつけて擦りやすくするじゃないですか。 あの役目と思ってください」

「はあ……」

「全然難しくありません。 要するに、ひなが本を読む間は、黙って隣に立ってろってことです」
 
「は、はい。 わかりました」

 隣に立てといわれればそうするまでだ。 私は先輩の左手に直立した。 先輩の顔がちょうど胸のあたりにくる。

「高いです。 もっと腰を落としなさい」

「あっ、すいません。 このくらいでしょうか?」

 グイッ。 所謂蹲踞(そんきょ)の姿勢をとる。

「あのねえ、そこまで下げろなんて、あさみちゃんはバカです? ひなの肩のところに、あさみちゃんのオマンコがくるくらいに決まってるじゃないですか」

「は、はい。 あの、こうでしょうか」

 訳が分からないまま、腰をあげる。 全体としては第3姿勢よりやや腰を掲げた体勢だろうか。

「そう。 そのまま黙っててくださいです」

 というと、先輩は手にした本を机上に開く。 タイトルは『ジェンダー理論史』。 学術書のようで、気晴らしに嗜む小説類とは一線を画すいかめしさだ。 本を開くなり、先輩の左手人差し指が私の室内着をめくる。

「……!」

 そのまま指先が太ももを撫で、膣の入口にツプリと入った。 グニリと膣壁を擦られる感触。

「あ、あのっ」

「静かにっつってんです」

「……っ」

 そのまま指先は膣を離れ、先輩はパラリ、本のページをめくった。 
 それだけだ。 しつこくいじるでもなく、痛みを与えるでもない。 一体何をしたいのか、頭の中でハテナマークが明滅する。 暇つぶしに後輩の膣でも弄りたいのだろうか。

 パラリ、パラリ。 
 それから数ページすすんだところで、またも先輩が左手の指を私の股間に伸ばした。 今度もさっきと同じく、膣でチュポンと指を包むと、何事もなかったように膣から抜いて本のページをめくった。 左手の指先が触れた本のページには、私の体液で湿った跡がついている。

「……!」

 ここで、私は自分の役割について、先輩が言っていた意味を理解した。 ページをめくりやすいよう、指先から油気がぬけた年代は、指先を脱脂綿等で湿らせる。 その湿り気の源として私の膣の分泌液を利用し、私の持ち物を入れ物にしようというわけだ。 逆にいえば、たったそれだけのために、私は全身を緊張させ、先輩に腰をつきださなくてはいけないのだ。

 足ふきマットに続いて、フィンガーボウル。 バカらしすぎて怒る気にもならない。
 
 結局読書は30分ほど続いた。 時々膣液の分泌が追いつかなかったのか、ひな先輩が『ん』といって手を高くあげ、天井を指さす。 私の役目が『指先を湿らせる』ことにある以上、先輩の意図は何となくわかった。 私は腰をかがめ、口をあけて先輩の指先に顔を寄せる。 先輩はある時は私の鼻の穴に指を捻じ込み、ある時は舌を指でなぞり、湿り気に得心がいくと本を繰るべく指を戻した。 身体的苦痛はなかったけれど、ミジメさに気を抜けば涙をこぼしてしまいそうだった。




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