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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 入浴 〜-2

 先輩がシャワーコーナーに入る。 まず両足を『足型』に合わせ、手を後頭部に回して腰を落とす。 真下に腰を落とせば『第3姿勢』だが、腰を斜め前に落として上半身を後ろに反らしており、リンボーダンスで床から低いところに渡されたバーをくぐる体勢に近い。 

 腰を落とした直後、壁の穴から一条の水流が迸った。 先輩によると、足型に両足の裏を合わせてから10秒後にお湯が出るらしい。 水流の勢いは予想以上だった。 放物線を描くと思いきや、一文字に水平を保って、壁から先輩へ飛沫を叩きつける。 

 先輩は眉ひとつ動かさず、水流に股間をあてがった。 勢いよくぶつかる流れが、まずおまんこの割れ目ではじける。 そこで更に腰が沈み、腰をせりだしたと思うと、自分でいきんだのだろうか、お尻の割れ目から覗かせた肛門で水流を受けた。 次いで身体を揺らしながら、腿やお腹で水流をうける。 オマンコを中心にして下半身に水流を受けた次は、上半身だ。 足の裏は足型につけたままで前傾する。 水流の位置は変化しないため、身体を捩りながら胸、脇、首、顔、後頭部や側頭部を水に合わせる。 

 洗い始めてから約2分が経過したところで、先輩は前傾姿勢からピンと背筋を伸ばしなおした。   
 途端に水流がピタリと止まる。 先輩から聞いていたことだが、1人がシャワーコーナーを使っていいのは1回だけで、水流は出始めてから2分すれば自動で止まる仕様になっているらしい。 それにしても計ったようなタイミングに驚かされた。 

 私が知っているシャワーとは、根本的な部分が違う。 シャワーといえば、自分で先端を握り、お湯が欲しいところにあてがうものだ。 一方学園のシャワーとは、身体の洗いたい場所を、手を一切使わず足を開いた姿勢のままで、水流にあてがって洗うことをいう。 水以外、シャンプーも石鹸も一切なし。 足の裏や指の股といった汚れが溜まりやすい部分は、よっぽど体幹バランスに優れていない限り水で洗うことすらできない。 少なくとも私の先輩は、時に腰ふりダンスのように下半身をグラインドさせ、時にはポールダンスのように上半身をくねらせながら彼方此方を洗っていたけれど、洗っていない場所だっていくつもあった。

 交替だ。 先輩にかわって、私が足の裏を足型にあわせる。 
 身だしなみは礼儀であり、身体を清潔に保つことは個人の衛生観念を超えており、学園に対する誠意でもあるらしい。 要するに綺麗にしておかないと、指導の対象になりかねない。無理な体勢であろうと恥ずかしかろうと、先輩のように身体を動かし、少しでも汚れを落とさなくては。
 私は歯を喰いしばり、来るべき水流に耐える決意で、ジッと噴出口を睨みつけた――。


 ……。


 ――決意だけではどうにもならないことがある。 私の初シャワーはお話にもならなかった。 水流の勢いが強すぎて、ほんの少し股間に直撃を受けただけで白旗だ。 あっさり後頭部から手を離し、尻もちをついてしまったのだ。 自動センサーでもあるのだろうか、直後に水流が止んで、ジ・エンド。 1日の汚れを落とすはずが、1秒でシャワーコーナーを後にせざるを得なかった。 

 平常の入浴であれば、B・Cグループ生はこれで終わり。 湯船に浸かれるのはAグループ生のみで、特別な場合以外においては、B・Cグループは夏だろうと冬だろうとシャワーを浴びてハイ御終いだ。 けれど今日は特別な場合。 つまり、Aグループ生から『三助(さんすけ)』を指示された場合に備え、先輩に対して『三助』を勤めるよう言い含められている。

 シャワーコーナーの先には『ウォッシュコーナー』が、今度は10ほど並んでいた。 敷居も何もなかったシャワーコーナーと違い、ここではそれぞれのコーナーごとに磨りガラスで仕切られている。 蛇口、普通のシャワー、黄色いケロリンにお風呂用の潜り椅子。 ボディソープ、シャンプー、に石鹸、薬用ジェルと洗剤にも事欠かない。 リンスやコンディショナーまでは見当たらなかった。

 歩きながら先輩が教えてくれた内容を頭の中で反芻する。 言葉にすれば1つ1つの行為は簡単なのだが、間違えずに最後まで通すことは至難の業だと思う。 それぞれの行為に細かい指定があって、先輩を満足させるなんてできそうにない。 別のウォッシュコーナーからは、浴場特有のくぐもった罵声や、湿った肌を叩く音がする。 中には奥の湯船に引っ張られる影もあり、私は心臓がキュッとなった。 浴場で失態を犯した場合は特有の指導があって、湯船に顔をつけて長時間呼吸を禁止したり、シャワーを喉にさして直接胃袋に水を流し込んだりするという。 さっきの影は、もしかしたらその手の指導を受けに行くのかもしれず、そして私にとっても他人事ではない。

「……」

 先輩は無言で潜り椅子に腰を下ろした。 もう三助は始まっているのだ。



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