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WHAT CONNECTED US?
【ロリ 官能小説】

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自称芸術家-1

神前衛(かんざきまもる)が目を覚まし、辺りの様子を認識したのは、アミーナが去って間もないうちだった。思い返して、まず大事なトライクが無事かどうか確かめようと起きたとき、鋭く股間が痛んだ。見るとズボンが落ちて、裸になっている。打った拍子に引っ掛かって落ちたものだろうと考えた。
トライクは無傷らしかった。ようやく買ったピアジオ社のハイブリッドMP3である。神前はこれに殆ど貯金を充ててしまっていたから、思い切って乗り回せないほど愛着を持っていた。それがしかし、今回、スクーターで転倒するという愚行を引き起こしもした訳である。転がっていたヘルメットも見つけた。こちらは、倒れたときの苦しさに、脱いで投げた記憶があった。
いかにも奇妙なのは、女の下着が足元に捨ててあったことだった。しかも濡れていてまだ温かい。女の下着など見る機会もない神前だったが、それが子供のものらしいことは、色や作りから想像できた。子供が漏らして置いていったのだろうか。においを嗅いでみたら爽やかに軽かった。確かに子供の元気を感じた。神前は、それを自分の打ったところに当ててみた。薬が沁みてくるような安楽さを覚えた。そしてズボンを履き直して、そこを庇いながら、トライクに乗り、エンジンを掛けた。しかし、帰宅したのち神前のそれは腫れ上がって、数日は寝込むほかない程になった。腫れた所に神前は例の下着を忘れず当てて過ごした。

あの手触り、あの形、そしてあのにおいがアミーナは忘れられず、できることなら手近に置いておきたいと思った。男の顔はほとんど忘れてしまっていた。上着のポケットに入れて持ってきてしまった男の携帯にはパスワードが掛かっており、中を開いては見られなかったが、写真を撮ることは可能で、アミーナは自分のものをたくさんそこに写しては、男へのプレゼントだとし、同時に女の体の勉強も行なっていた。

自称芸術家、傍から見れば造型のアルバイトで食いつないでいる神前には、女を好きになれない単純な訳があった。形が気に入らないのである。生き物としては異様な話であろうが、女性の胸や腰、また脂肪の付き方などが神前にはどうしても好きになれないでいた。性器の写真は興味があって集めてはいたけれども、好事家の趣味といった具合だった。小学生のとき、既に同級生の女子の脚の形の品評を内心していたことは鮮やかに覚えていた。とにかく、大事なのは形なのだった。だから自分の容姿も神前は、だらしないながら気にしていて、好きでもない運動をしにジムに通っているのだった。神前の気にいる女のタイプというのがそれでも在って、十一歳前後か、その形を保っているかのようなスポーツ選手に限られていた。気が合ったり、心が惹かれたりの恋愛体験は神前に全くないまま、これまで過ごしてきていた。もちろん、性欲はそれなりの場所で、対価を払って済ませていた。生活のことなど二の次にして、神前は気に入った形のものを集めずにいられなかった。MP3もその一つである。自分は人形アニメの道具作りで食いつないでも、欲しいものはアニメのロボットもののフィギュアのほうだった。ただ、可愛いものならともかく、自分でかっこいいと感じるものは作るのを苦手としていた。それで必然的に、部屋は市販の「かっこいい」物に溢れているのだった。理想だけは高く、神前の目標はミケランジェロであった。あの造形の美と天才に神前は心酔していた。
無くした電話を神前はあまり気にしなかった。仕事関係の番号やメールアドレスはパソコンにもバックアップしてあったし、保存した写真類も、いつでもダウンロードできるようにしてあったからだ。神前は新しい携帯をすぐ手に入れた。
事故のあと、腫れが引かなかったので神前は病院に行ってみた。診察の場は、同年齢かと思われる女医に、自分より若い看護婦達だった。研修生かもしれない。看護婦達は、見てメロンみたいに大きいと笑い、女医は看護婦のいる前で、検査のために射精しろと言った。そのようにすると、受け取った看護婦は
「あら? やっぱり多いんですね」
と言って意味ありげな笑顔を見せた。神前は、その看護婦の指が長くて美しいと思った。処方は痛み止めと湿布だけだった。


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