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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 入寮 〜-4

「さて、これからみなさんは寮に入って、自分の部屋にゆき、先輩から細々した指導をいただくわけですね。 その前に、本来であれば、私が受け取った荷物を皆さんに渡さなくてはなりません。 しかし時刻を確認してみてください。 門限は守れていますか?」

 ざわ。 僅かに動揺する肌色の群れ。

「そう。 明らかに門限を超えています。 寮監の私はもちろん、先輩方も待たせてしまいましたね。 これでは正規の入寮とみなすことなど、到底認められません」

 ざわざわ。 私が全員にビンタをしなければ間に合ったことは、当然全員気づいているだろう。
 それはそれ、これはこれだ。

「かといって貴方たちを寒空に放置するわけにはいきませんから、寮で夜露を凌ぐことだけは認めます。 そのかわり――」
 
 ニコリ。

「――手荷物の搬入は、予定通りというわけにはいきません。 どのみち学園生活には不要なものばかりでしょうし、この場で全て破棄します。 宜しいですか?」

 ざわ…ざわ……。

 返答がない一方、誰もが視線を泳がせる。 

「宜しいですね? 返事が聞こえませんよ」

「「……ハイ!」」

 答えなど1つしか用意されていないのだ。
 
 少女たちが見守る中、先輩の寮生をつかって荷物の山に灯油をかけさせた。 最初から荷物は焼却用地にまとめておいたので、この場で火をつけても差し支えないのだ。 マッチで点火した時に懸命におしころした嗚咽が彼方此方から聞こえ、パチパチと繊維がはぜる中、厳かな空気を醸しだす。 場違いなキャンプファイヤーで寮が夜に浮かぶ中で、笑顔なのは自分だけだ。

 炎が盛る中、B29番を先頭に、少女の列は腿を水平にあげて行進して寮に吸い込まれていく。 

 自分の仕事はここまでだ。 ここから先は、新入生の歓迎会、部屋割り、そして入浴・就寝と史性寮伝統のイベントが続く。 基本的にイベントは寮長――最年長の寮生から選ばれた者――を筆頭に、寮生執行部が主体となって運営する。 私は寮監室でB12番にでも腰をおろし、今年の執行部のお手並み拝見と洒落込むとしよう。
 学園生活は学園のみにあらず。 睡眠時間を含めると、学園で修身に励む時間に比べ、寮にいる時間の方が長いのだ。
 
 学園初日の夜は、まだ始まったばかりである。 


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