番外・青娘-1
(この番外編には残酷な描写が含まれます、苦手な方は閲覧をお控えください)
部屋の扉が開き、女将が客ではなく下僕二人を伴っているのを目にした時、青娘は自分の運命を悟った。
その可能性があることはわかっていた、自分を贔屓にしてくれていた豪農が病に伏してからと言うもの、めっきり客が減っていたのだ。
頼みとするのは下から二番目と言う順列だったが、恐れていた通りになってしまった。
と言っても、青娘はもうこの世にさしたる未練はない。
両脚を切り落とされた時はまだ自分で移動も出来たし、不便ではあっても日常生活は送れた、しかし両腕まで切り落とされてからは男の慰み者になるためにだけ生かされているようなもの・・・それでも自分を望んでくれる豪農の存在は心の支えだったのだが、それももはやどうでも良いこと・・・。
青娘が恐れていたのは死そのものではなく、それに伴う苦痛だった。
青娘が館から『いなくなる』こと、そしてその日取りは限られた顧客たちだけに秘密裏に告げられ、館の地下室にはとりわけ猟奇的な嗜好を持つ顧客たちが集まった。
彼らは思い思いに青娘の女陰を犯すと、垂直に吊り上げられた青娘の下に仰向けになる。
二人の下僕が青娘を吊ったロープを上げ下げし、青娘を回転させて、顧客たちは腰を振る労もなく青娘のアナルを味わい尽くした。
更に強い加虐趣味を持つ顧客は、鞭ではなく鎖で青娘を打つ。
熱蝋で責める事を好む客は、蝋燭の火で直接、そして焼き鏝で青娘の肌を焼く。
もうその体に残る傷跡や痣を気にかける必要もなくなったのだ、用済みとなった娼婦、世に顕れてはならない娼婦には安穏な死すら与えられない。
そしてひときわ高く吊り上げられ、台上に顧客のペニスではなく、鋭く尖った鉄杭が立てられた時、青娘は自分の最期の時が来たのを悟った・・・その恐怖よりも鎖や焼き鏝での責めが終わったことに安堵しながら・・・。
青娘はゆっくりと回転させられながら徐々に下ろされて行く。
鉄杭が彼女の肛門から滑り込み、直腸を突き破り小腸に達した時、青娘は初めて悲鳴を上げた・・・大量の血糊で滑りが良くなった鉄杭は折り重なる小腸を次々と突き破って進む・・・絶え間ない断末魔の悲鳴は鉄杭が胃を突き破ると徐々に力を失って行き、それが食道に達すると消えて無くなった・・・。
しかし、この期に及んで青娘にはまだ微かに意識があった。
消化器系はずたずたに破られて行くものの、心臓や肺には傷ひとつないからだ。
しかし、血は絶え間なく流れ続け、鉄杭の先端が青娘の口から顔を出した頃、青娘の心臓は送り出すべき血液を失って鼓動を止めた・・・。
それを見届けると顧客たちは満足して帰路につき、青娘の亡骸は人知れず裏庭に掘られた深い穴に投げ込まれた。
そして明日からは、何事もなかったかのように桃香を迎え、再び6人の娼婦達によって娼館は続いて行く・・・。