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桃香(tousyan)
【調教 官能小説】

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解放-1

 その桃香の噂がシネアートの熊谷の元まで届いたのはその人脈による。
 学生時代からの友人で横田と言う男。
 商社に就職した横田は自ら希望してその国に渡った、首都の支社への転勤だ。
 学生時代に共産主義に傾倒してその国に憧れに近い感情を抱いていた横田は、膨大な人口を抱えるその国はマーケットとしても有望だと考えたのだが、実際に住んでみて共産主義への幻想はあっさり裏切られ、マーケットとしての購買力は低いこともわかった。
 とは言え、自分で希望しての転勤、妻も子供もいない横田は帰るに帰れない、そのまま頑張るしかなかった。
 その後、会社が方向転換して農産物の輸入中心に切り替えたこともあり、横田は首都から桃香の居る地方都市へと異動した。
 大都会であり、この国が抱える歪を見せ付ける首都は肌に合わなかった横田だが、この地方都市は気に入った。
 中心部こそ近代的で賑やかだが、そこから少し外れれば農村地帯が広がるのんびりした土地柄、ここでも多数派民族の力は強いが少数民族を多く抱えるので接していて心休まる現地人も多い。
 横田は少数民族の女性を妻に娶り、子も成してここを終の棲家と定めたのだ。
 日本の大手商社マンはここでは富裕層、しかし、横田は尊大な態度を取らずに現地人と同じ目線の高さで接したので人望も厚い。
 農産物を日本に売り込めるかどうかは横田の思惑次第、勢い、豪農や役人達は横田をもてなして取り入ろうとする、役人には気を許せないが、地方の豪農達は首都の商人と違って裏表がない。
 横田も彼等とは深い付き合いを保つようにしている、特産の香辛料や日本にはない野菜、乾物などは他の商社も目を付ける、豪農と太いパイプを築いておく事は重要なのだ。
 横田が桃香を知ったのはそんな豪農の接待でだった。

「評判の娘がいるんですよ、楽しんで来て下さい」

 香辛料の大口取引が纏まった後、豪農に連れられて足を踏み入れた娼館、そこで横田の相手を務めたのが桃香だった。
 もうすぐ17だと言うが、10〜11歳ほどにも見える小さな体、そして小さいながらも形の良い胸や尻・・・なるほど評判なわけだと思ったが、横田は簡単には気を許さない、この国であてがわれる女は役人などから何らかの任務を与えられていることも少なくない、そしてそうでなくともガードが甘い日本人の金持ちと見れば何がしかをくすねようと隙を覗う者もいる。
 しかし、そんな慎重な横田も桃香の前では何もかも忘れさせられた。
 美しくいたいけな少女を抱く、日本人の常識から言えば罪悪感も伴うものだが、長くこの国に暮らしていると倫理的な抵抗は感じなくなっている、それどころか征服欲を掻き立てられ、横田も桃香に貪り付いた・・・しかし、桃香との一夜はそれだけで語れるものではなかった・・・。
 


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