享楽2-3
岩井は尻のあわいに指先をとどめ、蠢動させている。屈辱的な責めに頬を上気させ脂汗をにじませている。身もだえしながらも両手でペニスを握りしめていた。
深みの中から指を抜き、力なくもたれかかる奈津子を抱きあげ、岩井は立ち上がった。新婚当時、一度だけ同じように奈津子を抱き上げたことがあるが、数歩で腕がしびれて下ろしてしまった。腕の中で丸くなる奈津子を岩井は軽々と抱いた。
「ワシの指がどこまででもぬめり込む。男殺しの柔肌」
てかてかに舐めあげられたペニスを揺らし、毛だらけの尻を向けた。
「田倉さんもこうしてお前を抱いて重みや肉質を楽しんだのだろう」
重量のあるペニスがピクリと跳ねた。勃起力が増しているようにも思えた。
抱いたままベッドに片足をのせた。ベッドは沈み、波のように揺らいだが、岩井は微動だにせずベッドに立った。足下は落とし穴のように沈み込んでいる。
奈津子を横たえ、うつぶせに返した。岩井はひざまずき、腰の下に手を入れて持ち上げる。そこにクッションを差し込んだ。うろたえる奈津子の尻をパンと叩く。
「肉のたっぷり詰まったよい音だ」
小山のように腰を突き出す淫らな格好を保ったまま強引に両脚を開いて、その間に座り込んだ。
いきなりワンピースをまくりあげた。パンティが丸見えになる。ブラジャーのあとが残る背中が見えるまで捲り上げていく。
「ワシが若い頃、秘書を買って出た男がいた」
間を置かず、パンティに手をかけて無造作に引き下ろす。むき出された臀部がぷるんと揺れる。
「しかし白い。中身が透けて見えそうだ」
臀部がキュッと収縮した。
「年は上だったが腰の低い男でのう、よーく尽くしてくれた」
秘丘のあわいに両の親指を差し入れ、無造作に押し広げる。暴き出した箇所は、もっとも恥ずかしい部分。岩井の視線はそこから動かない。
「その男の妻が手伝いにきたことがあった」
そう言いながら、何かをつかむような仕草で三本の指先を広げた尻に沈めた。
「年はちょうど今のお前くらい。同じように透き通るような肌をしておった」
「い、いやッ」
手首をひねると奈津子は悲鳴をあげた。ちょうど尻の中心からほぼ真上に向け、ねずみ色の棒のようなものが浮いた。それを岩井がねじるようにして引き出していく。
「あッ、だ、だめぇ、ヒ、ヒィッ……」
「こんなワシにも後援会のようなものがあってな、独りもんのワシに嫁を持たせようとする輩がいたのだ。だがワシが欲しいのはその人妻」
それはうねっていた。かすかに音も聞こえる。引き抜くのを一旦止め、指先ではじいた。すると、少しずつ沈み込んだ。それを再び引きずり出していく。奈津子の悲鳴。
「お前によく似た体をしていた。肉質ものう。自慰を覚えた猿のように毎日まぐわった。亭主のかわりにのう」
奈津子の体が波打っている。
「十以上も年上の女の体でいろいろと覚えたのもよ。ワシも若かった」
「許して、くださいッ……うぅ……」
右へ左へと回転させながら抜いていく。全てが抜けたとき、先端が糸を引いた。
「人妻の体でいろいろ試したものだ。夢中だった。つまらんか、こんな話」
それはペニスの形をしたバイブレーターだった。岩井のものを目にしているせいで小さく見えるが、恐らく一般的なものよりも大きいだろう。岩井の手の中でそれは音をたて、くねっていた。先端だけが踊りながら規則的に回転してる。
ヘッドボードに手を伸ばして四角いものを手に取った。それを押すと音とうねりが止まった。バイブレーターの根本にコードのようなものが出ている。糸くずに見えたのはそれだった。スイッチで遠隔操作ができるようになっているのだろう。