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〈生贄の肉・二つ〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢動〉-5

『玲奈ならモテると思うけどなあ?遊ぶんなら今のうちだよ?』

「そ…そう……そうかな?」

『駄目よ、玲奈。それは悪魔の囁きよ?』

『お前はお金持ちのオジサンとキスするのだ〜。そしてお金と引き換えにスカートの中に手を入れられて、太股やお尻を撫でられるのだ〜』

『キャー!優子ったらバカ過ぎぃ!遊ぶってそんな意味じゃないし……て、なに玲奈も赤くなってんのよぉ?』



女子高に通いながら彼氏を作るとなれば、別の高校に通う男子生徒と関係を築く以外に無く、それは玲奈には絶対に有り得ない行動だ。
それを知っているからこその“おふざけ”は、何時もの事だった。


『ヤバい!あと10分で休み時間終わっちゃう!』

『だから早く食べなって言ったのに』


最後まで騒がしいままに昼休みは終わり、そして午後の授業へと突入した。
満腹感に浸り、うつらうつらと居眠りと格闘する者や、ぼんやりと外の景色を眺める者、そして教師の言葉を必死にノートに取る者……一人として同じ行動をとらない個性的な生徒達は、どうにか今日も一日の授業を終えた……。


『じゃあまた明日ね』

「うん。また明日」

『玲奈、お金持ちのオジサンのトコに行っちゃダメよぉ?』

『まだ言ってる。玲奈は“売り”なんかしないってば』


仲良しグループの中で、部活動に参加していないのは玲奈だけであった。
いつものように一人で駐輪場に向かい、自転車に跨がって走り出した。



『おぅ、さっそく出て来やがったぜ』


校門からスッと現れた美少女に、朝から付け狙っていた男達は興奮を新たにした。

やや傾いた陽射しは“そこはかとない”愁いを玲奈に纏わせ、決して汚してはならないと思わせる程に純粋(ピュア)に見せた。


『ん?真っ直ぐ家に帰らねえのか…?』


玲奈は自宅のある住宅地のT字路を曲がらず、そのまま真っ直ぐ突き進んでいく。
ずっと後を付けてくる不審な車に気付かぬまま、まるで先導するかのように町外れに向かっていく。


『……あぁ、なるほどなぁ……』


周囲に広葉樹の生い茂るその場所には、修道院と小さな教会が佇んでいた。
その直ぐ傍には、生け垣を挟んで幼稚園もあり、中からは親の迎えを待ちながら遊んでいる、幼児達のはしゃぎ声が聞こえてきた。

玲奈は、広葉樹を分けるように伸びる細い道を自転車で擦り抜け、教会の前に止めて中へと入っていく。

地獄からの使者が茂みに身を隠し、見詰めているとも知らずに……。



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