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〈生贄の肉・二つ〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢動〉-4



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午前中の授業は終わり、昼休みを迎えた校舎の中は喧騒に包まれていた。
いくら女子高とは言うものの、その騒がしさは男子より勝り、黄色い叫び声や下品な笑い声が、其処彼処(そこかしこ)から沸き上がっていた。


『あ〜、ムカつく。アイツったら既読してシカトしてるぅ』

『先に昼御飯食べちゃうよ?ホント香奈って忠実(まめ)よねぇ』

『あ、そのミートボール美味しそう』

『じゃあ海老フライと取り換えよっか?』


授業の終えた教室では、仲良しグループ同士で机を移動させて並べ、ペチャクチャと騒ぎながら昼食を楽しんでいた。
その仲良しグループの中に、あの美少女の姿はあった。


『玲奈ってさ、あんまスマホ見ないよね?彼氏とかとラインしてないの?』

『だって、玲奈の将来の夢はシスターに成る事なんだから。男とか彼氏とか要らないんだもんね?』

「あは…そ、そこまで言ってないよ……」

『言ってるのと一緒じゃない。男子禁制なんでしょ?“男なんて汚らわしいわ”なんて、ホントは心の中で思ってんでしょ〜?』


年頃の少女であれば、勉学より恋愛の方が重要事項であろう。

共学では無いので、『付き合ってくれ』と言いよってくる男子が居ない事は玲奈にとって良かったが、恋愛話の類いからは逃れようが無かったし、それらしき素振りすら全く無い玲奈は、いつも茶化される弄られキャラとなっていた。


玲奈は、楽しそうな友達を「羨ましいな」と思わないでは無かった。


心の通い合う異性の言動に一喜一憂し、気の会う友達と悩みを共有しあう青春に、魅力を感じないはずは無かった。

格好良くて優しくて、自分の事を想ってくれる異性の存在を心の何処かで欲しながらも、己の信仰を貫く意志を曲げてはならない。という確固たる決意の狭間に胸は少しだけ痛む。



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