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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 掃除 〜-1

〜 清掃 〜



 キーン、コーン、カーン、コーン。

 7限の終わりを告げるチャイムが鳴った時点で、教室には30番を除いた全員が揃っていた。 保健委員が洗浄した2名、追加でマスターベーションにいそしんだ6名、校庭での体育から戻ったその他26名。 計34名が今の私の担当クラスだ。 初日というのに体育からの遅刻者がでなかったのは、偏に8号教官が気を利かし、早めに切り上げてくれたおかげだろう。

 学園の日常では、16時15分に7限終了のチャイムがなる。 それから5分後に、終わりのショートホームルーム、通称『ショート』で明日の連絡事項を伝える。 ショート後は掃除の時間だ。学園では、掃除は主にCグループに割り当てられていて、それぞれのクラスが自分の教室以外に平均して4箇所を清掃する。 慣れてくれば、長くても20分ほどで清掃は終わる。

 17時ちょうどから俱楽部活動が始まる。 学園の倶楽部活動は、自分が希望する部活に入部して行うものではない。 担任の指示で約20ある倶楽部のどれか1つに所属させられ、顧問のトレーニングを受けなければならない。 それがここでの部活、倶楽部活動だ。 
 部活は基本的に18時30分までだ。 しかし顧問の裁量で部活は延長可能なため、場合によっては日付を跨ぐこともある。 勿論、日付を超えて部活させられた場合、次の日に体力的な支障がでるが、アフターケアやフォローはいかなる場合も存在しない。

 学園の生徒全員が所属する『学園寮』は、学園から徒歩で坂道を5分下ったところにある。 食事は19時開始になっており、点呼を兼ねて、19時に全員が着座完了しなければいけない。 学園で指導する立場になった私としては、19時までが学園の裁量で生徒を処遇し、19時以降は寮に生徒を引き渡す感覚だ。 

 そんな日常が本格的に始まるのは始業式、つまり今日から一週間後に催される『新入生歓迎会』からだ。 私としては『新入生歓迎会』までに、学園の心構えに加え、具体的な様々の様式を躾けなければならない。 

 さて、これからどうしよう。 素直にショートホームルームをするべきだろうか。 疲労の極みにある新入生を、早めに解放することには一理ある。 しかし、私としてはもっとやりたいイメージがある。 

 何をおいてもまずは『掃除』だ。 私たちCグループ2組が担当する掃除箇所は、教室・C棟3F廊下・C棟3Fトイレ・第2グラウンド・C担職員室で、合わせて5か所ある。 それぞれの場所によって掃除の手順は違っており、一々指導していては手間と時間がもったいない。 幸い倶楽部活動は『部活紹介』後なので、今日は寮の点呼まで時間的余裕がある。 ショートホームルームのやり方を伝えるよりも、まず掃除の作法を全員に教え、さっそく明日から掃除にかからせよう――。

 そんなことを考えながら、コントローラーを掌で遊ばせている間も、生徒はジッとこちらを見ていた。 あるモノは真剣な眼差しを、あるモノは不安げな色を、あるモノは疲労で薄ぼんやりと、それでも何とか意識を保って私に顔を向けている。 

 誰に掃除をさせるべきか。 瞳に気力が残っている、例えば22番たちにさせるべきか。 それとも私の指示に応えきれていないメンバー、例えば33番たちが相応しいか。 或は公平さを演出して、1番から順にさせるべきか。 
 副担の8号教官ならば22番あたりを選ぶだろう。 14号教官なら、33番たちにして、徹底的に甚振(いたぶ)るだろう。 では私はといえば、担任という立場上、やり易さだとか憂さ晴らし以外に優先すべきものがある。 時に緊張感を平等に担保することなしに、互いの思い遣りは生まれ得ない。 となると、出席番号順が妥当だろう。

「これから教室を清掃するやり方を指導します。 1つの掃除場所につき、5名が割り振られます。 呼ばれたものはその場に起立。 いいですね」

「「ハイ! インチツの奥で理解します!」」

 時計の針は16時48分。 一瞥したところ、3分間の沈黙を挟んだせいか、教室の緊張感が増したように感じられる。


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