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性少女・絵美
【その他 官能小説】

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性少女・絵美-6

(5)


 その日は夕方までに二回挿入した。むろん至るまでに肌を擦り合わせ、絡ませ、癒着するほど抱き合った末である。
 二度目の時、絵美と一体になった実感を癒着するほどに味わった。目で確認しなくても温かな彼女の体内にペニスが埋め込まれているのが感じられた。絵美も同じ想いだったように思う。
「ああ、松田くんが入ってる……」
うっとりと私に向けた笑みは悦びを滲ませた表情であった。
(あなたのものになったのよ……)
唇からはそんな言葉が洩れてくるようだった。

 完全な結合を自覚すると私は自分が一段も二段も成長したような気になった。経験が気持ちの余裕となったということなのだろうか。
 絵美も変った。笑顔にも動きにも弾けたところが薄れていき、恥じらいを見せるようになったのである。恥じらいながら私の言葉には従順だった。下着を脱ぐ時もそれとなく前を隠し、私が強引に開くと苦しそうに顔を歪めて身をよじるのだった。それが新たな昂奮を導いた。不思議な変化であった。

 その後、私は大胆になり、かつ、やや横暴になっていった。
「絵美」と呼ぶようになったのはこの頃である。
絵美はその呼びかけに嬉しそうに頷いた。
 制服のまま外を歩くようになった。絵美は俯きながら私の腕にそっと掴まっていた。
(絵美は俺の女……俺は絵美の男……)
真の意味の『大人』になったわけでもないのに、私は縋る絵美を従えて一人前になった錯覚に陥っていた。

 絵美の体は徐々に官能美を深めていったように思う。それは私の主観である。快感に呻きながらくねらせる姿態が艶めかしさを増して、漠然と女の美しさを感じたものだった。
 
 まだ未熟だったが欲情はほとばしるほどに激しい。私は絵美の体の隅々まで分け入った。
「そんなとこ、いや……」
恥ずかしがる絵美の大きな尻を開き、蕾のそばにホクロを見つけた。
「こんなところにホクロがあるよ」
「いやん。そんなの知らない」
きゅっと閉じた仕草が愛らしかった。

 初めてホテルへ忍んだのは絵美が高校に入った年である。その頃は俗に、連れ込み、といって、ラブホテル、フアッションホテルなどの気軽なイメージではなかった。陰気で妖しく、後ろめたい場所であった。それだけに気持ちは昂揚した。

 灯りを落とした部屋に広がる大きなベッド。肉踊る充溢に見舞われながら、私は初めての『大人の密室』に気圧されていた。
 絵美は……。

「すっごい!」
ベッドに腰かけると、目を丸くして私を見上げ、クッションを確かめるように跳ねたと思ったら倒れ込んでけらけらと笑った。
「ひろいよ、ひろい」
何がおかしいのか、笑いながら転がっては大の字になったりしてはしゃいだ。捲れたスカートからは下着は丸見えでまだ幼い子供のように見えた。
(この女とセックスをしたのだろうか)
そう思ったほどあどけなく、笑顔は妖艶さとは無縁の少女だった。よく見ると肥っているせいで腰のくびれなどほとんどなく、見ようによっては幼児体形である。
(絵美……)
その『少女』が裸身で向き合うと裂け目を充血させて女臭を漂わせる。

 千変万化。絵美は少女と大人を往きつ戻りつしながら無意識に演じ分ける年頃だったのだろう。その混在した魅力が性少女であった。

 一緒に風呂に入ったのはこの時が初めてである。ゆったりとした湯船に二人とも距離をとって沈んだ。
「けっこう筋肉あるね」
湯の中で向き合い、絵美は私の胸を指で押した。湯に浸った彼女の乳房が陽炎のように揺らいでいる。乳首が紅い。
「うちのもこんなに広かったらいいな」
絵美の部屋の風呂は見たことがなかった。
「狭いの?」
「うん。一人で脚伸ばせない」
「一緒に入れないか」
「無理、無理」
「絵美」
呼びかけて腕を取ると笑顔が消え、唇が私に迫ってきた。合わせると、熱い気持ちに自然と舌が伸び、差し入れていく。絵美も応じて触れ合う。続けながら体をまさぐり、脚を開いた絵美は私の上に乗り上げてきた。先端に秘唇のぬめりを感じた。絵美は腰を引き、
「入れちゃだめよ」
その瞳に少女の面影はなく、いつの間にか妖女になっていた。

 絵美がペニスを咥えたのは彼女自らである。
立ち上がると絵美の手が幹を握った。膝立ちになり、屹立を真上から呑み込んだ。
(絵美……)
亀頭を頬張ったまま目を閉じ、眉間には苦しそうな皺が刻まれた。
 動かない。動かなくても柔らかな圧迫はある。それに微かに口中で舌が蠢く。それは愛撫ではなく行き場がなくて触れているのである。
 それが堪らなかった。もとよりフェラチオの免疫はない上に微妙な刺激。咥えている絵美の苦悶の表情を見ているだけで急激に催してしまった。
「出る!」
「うう……」
絵美が喉で声を出したのは受けるつもりなのだった。

 私たちはその後もあらゆる形で戯れ、セックスに没入した。彼女と会う機会がなくなったのは私が地方の大学に進学してからである。 
  
 
 
 

 


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