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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 尻語 〜-1

〜 尻語 〜




 最初に当てられた22番が、何度も何度も見本を見せてくれたおかげで、ウチ――学園では26番という名札を貰った――はどうにか尻で『自己紹介』することができた。 全く同じだとあげつらわれるかもしれないから、もちものの表現は『まんこ』ではなく『くろい』に変えた。 自分から『黒い』と認めるなんて泣きたいけれど、実際黒ずんでいるのは事実だし、やり直させられるよりマシ。 小さなころからオナニーに耽っていたせいで、黒いことが恥ずかしいと知った時には、もう取り返しがつかなくなっていた。
 幸い、表現自体は教官に怒られはしなかった。 やれ声が小さいやら、腰が高いやらイチャモンをつけられて、合計30回くらい尻字をさせられたけれど、特にペナルティはなかった。

 それから他のクラスメイトが順番に尻字で自己紹介させられた。
 正直、ウチが無事だったことでホッとして、どんな表現があったかはあまり覚えていない。
 『まんこ』が大部分で、たまに『くさい』、『ぐろい』や『げひん』等が挟まっていた。 『しもい』という、よくわからない表現もあった。 基本的に教官が表現にダメ出しすることはなかったが、誰もが20回以上はやり直しさせられたように思う。

 全員が教官の合格をもらってから、小休憩があった。 
 まあ、休憩というよりは、給水といった方がいいかもしれない。 どこから取り出したのか、教壇の前に中くらいの水槽を置くと、教官はおもむろに跨った。 そしてそのまま股間から黄金水――ウチらのは汚水だとか、小便だとか、さんざんいうくせに、目上の人のものはこう呼ばないといけない――を水槽に放つ。 水槽全体に対する割合は少しだとしても、これで水槽の水は教官の黄金水が広がってしまった。

 その上で、ウチらは、机からでてきた細いストロー越しに、水槽の水を飲んだ。 

『今から当分水は飲めません。 特別に水分補給を許可します』

 教官の指示以前に、ウチは喉がカラカラだった。 大声で自己紹介して、汗をかいて、膣からも大量の分泌物を搾られて、水分が欲しかったからだ。 『当分水が飲めない』と宣告された以上、いまさら教官の黄金水程度で躊躇いはしない。 他の人も同じ考えらしく、皆であっという間に水槽の水を飲み乾した。

 次の指示は、全員して各自の机に登ることだった。

 こんどは背中を教官に向け、肩幅に足を開き、足を曲げずに左手で右足首を掴むよう指示される。 さらに右手を股間から肛門に回し、指全部を使って肛門を露出しろという。 体が人より柔らかいウチにとっては楽チンだ。 他のクラスメイトには柔軟さの点で厳しい人もいただろうが、何とか指示通りの体勢をみんなで作ることができた。

 次の指示にウチらは言葉を失った。

「では、アナルで自己紹介できるように、全員揃って練習しましょう」

 教官とは、入学式で顔合わせが済んでいただけで、実質今日が接する初日だ。 しかもまだ半日経っていない中で、何度も意味不明で言葉足らずな指図があった。 教官はそういう、不親切で理解不能なものなんだと思って、大抵の指図には驚かないつもりだったけれど、今度の命令は更に想像の斜め上をいっていた。

「言葉も文字もなしで意図を伝えられて、初めて意思疎通といいます。 お前たちのアナルを見てあげますから、しっかり自分の気持ちをアナルするように」

 ウチらの感想を聞こうともせず、教官は続けた。

「いきますよ。 まずは『あ』です。 さあ、アナルを膨らませて、大きく開く」

「「っ……」」

 どうすればいいか全く分からなかったけれど、ウチはとにかく肛門を開こうとした。 いきんで、大腸の内容物を押出す要領で、少しでも閉じた皺を緩めようとした。
 そこで初めて気づいてしまった。 肛門のすぐそこまで便が来ている。 本気できばったならば、確実に排泄してしまうだろう。 ど、どうしよう、どうすれば――冷たい汗。 これでは肛門を開けるどころの騒ぎじゃない。

「あら。 キチンと『あ』が言えない礼儀しらずがこんなにいるなんて、つくづく駄肉なこと。 ていうか、言う以前に開いてないのは何なのかしらね。 手伝って欲しいならそういえばいいのに」

「!?」

 ひんやりした何かが剥きだしの肛門にあてがわれたと思うと、

 つぷん。

 本来一方通行な筈の直腸を逆行する違和感があった。 これは……ビー玉だ。 合宿でも同じような感触だったから、ウチには分かってしまった。


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