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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 逆流 〜-2

 気絶。 もう29番の、つくり笑顔の叫びは聞こえない。
 私の肩から力が抜けた。 この結末は悪くないんじゃないだろうか? 脳が麻痺した今、29番は、苦しみを感じてはいないのだから、浣腸の効果が切れるまで気を失っていれば、それで何もかも解決するではないか。 どうせ排泄できないのだから、意識をもって激痛に耐え続けるより、無意識のうちに全てが終わるなら、そっちの方がいいのではないか?
 
 私自身も、良心の呵責に苛まれずに済む――と思っていた矢先。 教官がストッパーに太く透明なゴムチューブを近づけた。 ストッパーの反対側には箝口具が接続してあった。

「いいわ。 だったら最後まで自分で面倒を見てもらいましょう。 誰かに処理してもらえないなら、自分で処理するのが当然です」

「!?」

 私は耳を疑った。 自分で処理? ホースを肛門につなぐ? 箝口具?

 それはつまり、意識を失った人間の口に、排便を流し込むということだ。 そうとしか思えない。  
 しかし、である。 意識がない以上呑み込むことはできず、まして便の固形成分を考慮すると、どうしたって喉をつまらせる。 さらに箝口具で無理やり内容物を注ぐわけで、29番がどうなるか、結果は火をみるより明らかだ。 無意識のうちに食べつづけ、奇跡的にすべてを胃に収め、気絶から生還する……わけがない。 

 カチャカチャ。 ストッパーと繋がるチューブ。 
 教官は相変わらず無表情だった。 これから自分が一人の人間に引導を渡すという重みなど微塵もない。 少しでも人間らしい感情が残っているなら、手心を加えるなりホースを途中で抜くなりして、最悪の結末を避けるだろう。 しかしあの手つき、躊躇いのなさ。 教官は本気だ。 本気で29番を窒息させる気だ――!

 私の頭の中は真っ白になった。 こんな簡単に人が死ぬのか? 
 いつか私も29番のように、あっけなく現実と別れるのか?
 立場が変わったとき、みんなは私を黙って眺めて、それで私も見捨てられるのか??

 そう思ったとき、何かが弾けた。 

「さ、33番、失礼します!」

 一斉に教室中の視線が集まる。 教官もこちらを向いた。 



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