〈脈動〉-3
『おぉ!?なかなかイイんじゃねえか?』
『ブラが透けて見えるなあ……なんかエロ教師みてえだな』
散々に部屋を漁ったわりには、その衣服は在り来たりな物でしかなかった。
だが、そのシンプルさ故に恭子の美貌は際立ち、ブラウスから透ける青いブラジャーが淫らな魅力に拍車をかけた。
『……こっち来いよ、奥さん……』
「ひ…ッ……」
男はいきなり恭子の肩を抱くと、誘うようにして床へと倒れ込んだ。
腕枕で添い寝したその姿は、俯瞰でカメラに収められる。
『観たぜ?キモいオヤジに浣腸されてア〇ルを掘られたの……』
「ッ!?」
昨日の今日ではあるが、この男達はあの変態行為を収めた映像を観て、そして此所に来た……ならば性癖も似たようなモノを抱えている男達だという確率は高いはず……起き上がり、逃げようと思えば逃げられるのに、恭子はそれすらしない……何故ならば、もう逃げ込める場所など無いと知っているからだ……。
『ア〇ルプレイに興味を持って、それで教えて貰いに行ったんだろ?どんだけ変態なんだよ、奥さん?』
『年増の“お遊び”は手に負えないってのはホントらしいな?』
『お〜、テメェ何さりげなくインテリぶってんだよぉ』
いじめっ子に囲まれた“いじめられっ子”のように恭子は怯え、ガタガタと身体を震わせていた。
レイプという犯罪に曝される事に慣れるはずは無く、ましてや粗暴な若者の集団は、それだけでも恐怖だ。
『よくもまあ旦那に隠れて、いろんな男と遊ぶモンだぜ』
『なに言ってんだよぉ。奥さんはママ友の旦那を寝とる計画を立てて、それを実行中なんだぜ?』
『そうかあ……それでいろんなテクニックを覚えたくて、あんな変態オヤジとも遊ぶワケかあ?』
『奥さんサイテーだな?セフレなら別にイイけど、こんな“汚え奴”は彼女にもしたくねえや』
一連のレイプ被害者である恭子には、あまりにも酷過ぎる言葉の羅列であった。
この男達までもが見境の無い淫乱だと決め付け、性の快楽を貪る為なら手段を選ばない女だと断言して侮辱する。