〈脈動〉-17
「離して…ッ…嫌…だッ」
その愚か者に素早くパジャマの上着の裾を掴まれ、一気に捲り上げられて胸元を曝されると、洗い終えたばかりの清らかな乳首に吸い付かれ、乱暴にもむしゃぶりつかれてしまった。
『あぁ…奥さん……もう“こんな”になってる……』
図らずもギンギンに勃起していた乳首は、この男を見事なまでに誘ってしまった。
温かな舌に舐められ、唇に痛い程に吸われ、前歯によって刺激を受けると、その感覚は乳首から胸元へ、そして全身へとビリビリと走り、皮膚は触覚を研ぎ澄ましてしまう。
まだ恭子の肉体は忘れてはいなかった。
こんな男の下手くそな愛撫にさえ忌まわしき“発作”を起こし、肉体はギクギクと跳ねてしまう。
先程までの侮辱塗れの暴力ではない、熱烈な愛を囁かれての愛撫に絆されてしまったようだ。
「いい加減に…ッ……だッ…駄目……ッ」
いつの間にかパジャマの下は片足だけ脱がされ、丸出しになってしまった股間には男の身体が挟まる。
抵抗を試みる両手はしっかり握られているし、蹴飛ばしてやろうと振り回される両足は空を斬るのみ。
「ち…ちょっとぉッ…な…なに脱いでんのよぉ…ッ!!」
男はパジャマの上着を恭子の手首に絡め、抵抗を弱めてから自分の衣服を脱ぎ始めた。
上半身を脱いで貧相な身体を露わにし、続いて一気にズボンを脱ぎ捨て、怒張しきった肉棒を剥き出しにしてしまった。
「ひいッ!?……やめて…ッ!!…やだッ…!!」
恭子が恐れていた通り、この男は避妊具を着けないままで挿入を試みる……パジャマに絡まれてしまった両手は掴まれてしまっているし、股間には男の胴体が挟まってしまっている……まさに絶体絶命の状況だ……なんとかして“其れ”だけは許すまいと恭子は身体を捩るが、男が股間から露出している欲心の権化は、醜くも美しい熟肉の花壺に照準を定めて付け狙う……。
『僕は……奥さんを初めて見た時から……もう駄目だよ…もう我慢なんて出来ないよ……奥さん…ッ』
「ふざけ…るんじゃないわよ…ッ……だッ…誰があなたなんかと…ッ」
恭子が欲しくて堪らない肉棒は、尖端からダクダクと涎を滴らせて秘穴を探り、無毛となった秘肉の上を滑り回った。
いくら恭子が腰を振り回して挿入から逃げようが、その肉棒は情欲を満たそうと執拗に追い回してくる。
「嫌あぁぁッ!!耕二さぁんんッ!!!」
肉花の上をズルリと滑り、その中心に悍ましき亀頭が潜り込んだ瞬間、恭子は堪えきれずに耕二に助けを求めて叫んだ……しかし、その声は男の口腔に響いただけに止まり、外界まで達しなかった……悲哀に満ちた人妻は、今日も愛し合う恋人同士の〈契り〉のような、熱烈な接吻と結合に身体を奪われた……。