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〈熟肉の汁〉
【鬼畜 官能小説】

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〈脈動〉-16

「んむぐぐぐ!!」


まだ濡れている髪は力ずくで指に絡められ、熱烈な口づけに恭子の唇は捲れていった。


『奥さん…僕、聞いたんだ……奥さんの恥ずかしい声……』


この男は一連の脅迫者とは無関係なようだ……一人で現れたのを見ても、カメラを持っていない所を見ても……。


『今日も……今日も奥さんは男と遊んで……僕、もう我慢出来なくなったんだ……』

「ッ〜〜!!!」


おそらく、この男は隣接する部屋の住人なのだろう。
きっと漏れ聞こえた音や声、そして振動で何が行われていたのかを察知していたのだ。
そして男達が出ていったのを見計らい、更に施錠されなかったのを良い事に、侵入して“我も”と襲い掛かったのだ。


「あなた何なのよ!?出ていってよッ!!」


そう思い切り叫ぼうとした瞬間、恭子は冷酷な現実に気付かざるを得なかった。

自分の陰毛や小便で汚した衣服と、破られたブラウスやブラジャーやパンティーを入れたゴミ袋は、まだ部屋の中に置かれたままだった。

換気の為に窓は開けっ放しなのだから、いま悲鳴をあげたなら、それは容易く外に聞こえてしまうだろう。

それが誰かの耳に届いたなら直ぐに踏み込んでくるか、もしくは警察に通報されて騒ぎが大きくなり、アパートの住人達にまで知られてしまう事態に陥ってしまうはずだ。





「で、出て行きなさいよ…ッ…私は……あなたなんかに…ッ」


さっきまでの集団による凌辱で、恭子は満足な抵抗が出来るだけの体力を失ってしまっていた。

顔面を掻き毟ろうとする両手は掴まれ、床に押さえ付けられた。

体力の回復の為、酸素を欲して波打つ腹部は男に腰を落とされ、その呼吸すら充分に出来なくされてしまい、恭子の力はみるみる減っていく。

なんとしても押し退けたいと足掻く恭子の目の前には、トロリと溶けた瞳と、盛りのついた犬のように呼吸を荒げる興奮しきった顔があった。


『綺麗だ……奥さんは僕の女神なんだ……綺麗で可愛くて……』


言葉だけを真に受けたとしたなら、ここまで言われて嬉しくない女性は居ないだろう。

だが今、目の前に居る男には、年下の男性としての可愛げなど皆無だったし、魅力など一欠片も感じられない。

薄っぺらな愛を臆面も無く口走れる愚か者……欲望が言わせる世辞など失笑物に過ぎず、それは嫌悪感と軽蔑しか抱かせない恥ずべきものだった。



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