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凡夫たちの恋
【ロリ 官能小説】

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つながり-1

土曜日、いつものように坂上がカウンター席で飲んでいた。漫画を一人で一時間ほど読んで、いい加減に酔った坂上は、森田に話しかけてきた。
「親が離婚すると子供が荒れるとか、子供を構わないと荒れるとか、一般的に何だか言えないみたいですね。」
「そうですか。うちらが中学のとき荒れていた奴は大体片親でしたけど。」
「みんな罪悪深重の凡夫で、起こってくる思いがけないこととか、困った自分の傾向に逆らえないで流されていくんだって、最近思います。」
「何ですか、罪悪ジンジュウ?」
「この漫画に書いてありました。親鸞の言葉だそうです。」
「歴史物、好きなんですか。」
「いえ、これ、SFです。」
坂上が見せた表紙には、青い髪の女の子のキャラクターが銃を持って笑っていた。
森田は坂上のジョッキが空になっているのを見つけ、すかさず注文を取った。
「こういうの、見たことあります?」
坂上が見せた同じ漫画に、男たちが戦う場面があった。特に興味もない森田は一瞥をくれただけだったが、坂上が
「この拳法、僕が昔やってたのと同じみたいなんですよね。日本だと凄くマイナーなはずなんだけど。」
森田がもう一度、今度は関心を持って見ると、それは自分の知っている型と同じものだった。
「何て言うんです、これ。」
「蔡李仏家拳て言うんです。僕はもうずっとやってないんですけど、こんな漫画に出ているの珍しくて。」
森田はその名前に記憶がなかったが、日本語ですら覚えにくい名前だから忘れたのかと単純に思った。
「へえ。名前、分かって嬉しいです。僕も多分それ知ってるんですよ。一緒に習ってたんでしょうかね。変ですね。」
「今度、一緒に外でやってみましょうか。」
森田は客と外で会うのをなるべく避けたいと思っていたが、これは少し面白そうだと感じた。次の金曜日の夕方、湖の公園で会う約束をした。


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