〈忌諱すべき覚醒〉-9
「あ"〜〜〜〜ッ!!耕二さあぁんんッ!!!」
荒々しい掌は見事に肥えた尻肉を握り、股間の全ての割れ目をこれでもかと開いてしまった。
赤黒い肉花はベロンと開き、背徳の快楽を知ってしまった秘穴を丸出しにしてしまっているし、陰毛に隠れていた青紫色の肛門も、ドーナツ状に伸ばされてしまっていた。
『なんとも……淑女のような顔をして、こんな汚ならしい穴を“着けて”おるとはねえ?』
『このようなア〇ルを視られて…ん?恥ずかしいと思わんのかな?ん?……いやいや、こんなア〇ルをしている方が、よっぽど恥ずかしいと…ん〜〜?』
目の前の鏡には、鼻の下を伸ばして尻を覗く二人のオヤジの姿と、その光景を楽しそうに見ながらカメラを回し、ケータイで撮影をする男達の姿が映っていた。
つい数分前、恭子は本気で男達を刺すつもりだった。
もう慰み者にはされたくないと、二度と自分の家族の幸福を脅かさせまいと、必死になって戦った。
その決意は実を結ばなかった。
何の脅威とも取られず、まさに馬鹿にされながら捕らえられ、拘束された挙げ句に、肛門にまで興味を抱く変態オヤジに捧げられてしまった。
(嫌だ……また…私……)
パンティーまでもが恭子の身体から離れ、両手の上にハラリと落ちた。
もはや恭子の身体を隠せる物は何も無く、もし有るとしたなら、それは股間を覆う程に生えた、毛深い陰毛くらいであろう。
『せっかく女に生まれたのに、快楽の全てを知らないままで老いていくのは…ん?勿体無いとは思わんのかな?ん〜?』
恵まれた美貌を持ちながらも、恭子は恋愛経験が多かった訳ではなかった。
弘樹を一途に想いながら、結局は何も伝えられなかった学生時代を見ても分かる通り、かなり恋愛には臆病というか奥手な方であった。
何事も無く成人を迎え、何事も無く仕事をこなし、そして耕二と出会い、その生真面目さに惹かれて結婚にまで至り……そして子供も授かった。
これで恋愛とは無縁になった……と、ふと頭を過ったその時、恭子は弘樹と再会した。
それまでが禁欲だったとは言わないが、その時恭子の中に“何か”が弾けた。
思春期には顔を出さなかった、無鉄砲な若気の至りと呼べる感情が後れ馳せながら爆発し、恭子ですら其れを止められなくなってしまっていた。
ドラマや映画で観た許されざる情事……自分とは無縁と思っていた破滅を背負う情交に、恭子は自ら身を投じた……。
中学生時代の自分では有り得なかった熱烈な口付けと、叶わなかった青春期の夢想が現実化した戯れに、恭子は没頭した。
我が儘に接吻をせがみ、肉棒を溺愛し、秘肉をされるがままに開放し、恥すらかなぐり捨てて悶え狂った。
決して他人には知られる筈の無い秘め事……秘すれば秘する程に興奮は高ぶり、淫乱の謗りから免れないくらいの破廉恥極まる艶事にまで至る……その光景を、恭子は盗撮されてしまったのだ……。