母親の破廉恥な願い-1
昼間のまだ日射しが暖かい居間で、親子はくつろいでいた。
綾乃は紅茶を、あやめはソファに寝ころびアイスクリームを舐めている。
二人はそれぞれに本や雑誌を読んでいた。
時々、綾乃は娘をちらりと見ながら、どう話しかけようか迷っていた。
長い黒髪を束ね、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせている綾乃にくらべ、
栗色の髪のあやめは、十五歳という若さで弾けそうだった。
最近また身長も伸び大人っぽくなって、
服の上からでも分かる乳房がはち切れそうで、成熟さを感じさせている。
今のあやめは、小さい頃の可愛いあやめではなく、長い脚はぽっちゃりとして、
母親の自分さえ、娘のその太股に色香を感じてしまうことがある。
秋とは言いながら、午後の風は爽やかだった。
少し開けたドアの間から緑の風が舞い込み、カーテンがそよいでいる。
このところあやめは、あまり外出をしないで本を読んでいることが多い。
その本もいやに最近は大人びているが、綾乃はそれを知っている。
自室で、密かに妖しい雑誌を読んでいることも……。
それが奴隷少女の漫画本であることも。
しかし、自分の前ではそれを隠している、
そんな娘をみながら、どこか微笑ましいと思う綾乃だった。
この頃の少女の好奇心は半端ではない。
やたらに性や異性、そしてセックスに興味を持っているようだ。
今はそういう情報が氾濫していて、手を出せばどこにでも届くらしい。
綾乃は婦人雑誌をパラパラと開きながら、チラチラと娘を見て
どうやって、あの話を娘に切り出そうしようか躊躇していた。
そして、心を決め雑誌を置いて娘に言った。
「あやめ、ちょっと良い……」
「うん、なに? お母さん」