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〈熟肉の汁〉
【鬼畜 官能小説】

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〈嗅ぎ付けた獣達〉-2

恭子はまたも来訪した恐怖に身体が硬直し、窓際から離れられない……そして、信じられない事に、階段の方から数人の足音が聞こえてきた……。


「……う…嘘…!?…私の部屋に……」


恭子は泣き崩れてしまった……有ろう事か、あの男達は恭子の自室の合鍵を作り、家族だけの空間すら奪い取ってしまっていた……昨日のような恥辱に塗れた犯罪に、今日も巻き込まれる……絶対に忌諱したい欲望が姿すら隠さず、涎を垂らして向かってくる……逃げ場を失った恭子には、もう許しを願う術しか無かったのだ……。


『ほ…ホントに居た……フフフ……』


「ッ!!!」



扉が開くと、そこには、見ず知らずの男が数人立ち、欲情しきった潤んだ瞳で恭子を見詰めてきていた。
カメラを持つ者も居るその集団は、20代から40代くらいの、あまり魅力的とは呼べない男達ばかりだ。

この男達の目的を知ってしまっている恭子は悲鳴すら忘れ、呆然として立ち尽くしていた。


『僕達…知ってるんだよ?奥さんが浮気してるって……』

『それだけじゃない。いろんな男と寝てるのも知ってるんだから』

『ね?“いい”でしょ?ね?ねえ?』


吐き出された言葉は、昨日の男達の台詞の受け売りであった……恭子は新たな犯罪者の出現と、秘密が拡散してしまっている事に愕然とした……。


「で、出て行って!大きな声出すわよ!!」


犯罪者と対峙したにしては、その言葉はあまりにも弱いものであった。

それは、《秘め事》を曝されまいとする人妻が、我が身に降り掛かる如何なる事情でも秘匿しようというのを、自分から暴露したようなものだ。


『大きな声は出さない方がいいよ?困るのは奥さんなんだから』

『もし僕達に何かあったら、奥さんの浮気現場と乱交プレイのDVDが、バラ撒かれるんだからね?』

『ね?ね?乱暴はしないからさあ……』


恭子は涙を堪える事が出来なかった。

きっと、あの男達はこの男達の欲望を焚き付け、自分の秘密を売ったのだ。

脅迫と強制を絡めた売春行為に、あの男達は走ったのだ……。



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