〈嗅ぎ付けた獣達〉-10
『イキそう?奥さんイキそうなんだ?』
『奥さんの声はデカそうだから、口を塞いでおくかな?』
ただでさえ呼吸は乱れてしまっているのに、それで口を塞がれたのだから、恭子にしたら堪ったものではない。
どうにかして掌を払い除け、酸素を取り込もうと藻掻き苦しむも、その様すら胸が締め付けられる程に甘く切ない。
『あッ…凄いッ…お、奥さん……そんなに締めたら…ッ……イクうぅッ!!』
「ん"ん"ん"ん"ん"ん"!!!」
酸素が欠乏した肉体の断末魔……その叫びは筋肉の硬直を呼び、秘穴は肉棒を握り潰す程に締め付ける結果を生んだ……男は驚きを伴った喘ぎを発し、カメラを恭子の眼前に据えたまま肩を抱き、背骨が折れる程に肉棒を奥まで突き刺すと、全身を震わせて射精に至った……。
「……ぐッ…むぷ…ッ…ぶぶッ…!!」
恭子は美しかった。
掌で顔の半分は隠れていても、深い皺を刻む眉間にトロリと垂れた眉と、呆けたように遠くを見詰め、目尻を痙攣させる艶やかな表情は、フェロモンの発散などという言葉を超越するものだ。
『フヒヒヒ……奥さん、気持ち良いのかい?自分の口で言ってみなよぉ?』
「ハアッ!!ハアッ!!し…ハアッ!!死んじゃうッ!!ホントに死んじゃ……むぐぐぐぐッ!!」
『そうかあ…死んじゃうくらい気持ち良いんだ?』
『じゃあ、もっとしてあげるよ?ククク……奥さんはホントにスケベなんだなぁ……』
魅惑のダンスを目の当たりにした男達の肉棒は、再び息を吹き返した。
まだ時刻は真昼まで到達してはおらず、耕二が帰ってくるまで時間の余裕はある。
新しい避妊具を着け、男は恭子の身体に覆い被さり、愛しいとばかりに抱き締めた。
(くッ苦し…ッ!!離してえぇッ!!)
『あぁ…奥さん……抱き締めるだけで気持ち良い……』
肌と肌が密着し、互いの汗が混じりあって恭子の身体の上を流れていく。
ムッチリとした恭子の肉体は、まるで餅のような柔らかさと弾力を誇り、無骨な男の身体を優しく包み、吸い付くように変形した。
この抱き心地の良さに秘穴の強烈な締め付けが重なり、男は極楽の空間を漂うような快楽に浸されながら、再びの絶頂を迎えた。