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指嗾
【元彼 官能小説】

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指嗾-5

 ジョゼはショーツの中に忍び込ませた指でヒップの割れ目を広げるように揉み、耳穴へ舌を更に奥までねじ込んでくる。両脚の間に膝を差し込まれて、背伸びをしても下から下腹部をジョゼの太ももに強く押し上げられる。ショーツとスカートの前襞の向こうの肌を体の中心で感じながら、
「……して」
 と輝子は身体の奥が訴える畝りを言葉に変換して漏らしていた。
「あ? なんだって?」
 目の前でタンリムが揺らされる。
「……んっ……、ヤッてっ! ……わたしおかしてっ!」
 シルバーの玉が揺れるのを見つめ続けて催眠にかかったように、輝子は肩に置いていた握りこぶしを解くとジョゼの首に縋り付いて長い舌にしゃぶりついていた。背伸びをしたまま腰を前後に揺すると、ジョゼの脚に恥丘が擦れる。姉が言っていたなら、自分だって言える。ジョゼが嘘をついていて、良い子ぶったあの姉が羞恥で言えなかったのなら、私は言ってやる。輝子は音を立て頭を巡らせながらジョゼの舌を頬を窄めて吸い、口の中で舌を絡め合わせた。
 また会わなければこんな言葉を吐く自分にはならなかった。姉がジョゼを家に連れてきたのと同じ頃、輝子には初めての彼氏ができていた。友達の紹介で知り合った、近くの高校の男だった。サッカー部に入っていたが、練習の厳しさにすぐに辞めて、友達とダンスチームを組もうとしているらしく、夜、閉店した店舗のガラスに自分たちを映しながら練習しているという。友達から、輝子ちゃんのことが気に入ったって言ってる、根はマジメな奴だからさ、と言われたが、いかにも最近遊び始め、ファッションも言動もモテようと頑張っている感が伝わってきたから、マジメなのはまだ根だけじゃないだろ、と苦笑しながらもOKして付き合い始めた。学校帰りにファーストフードに行って話をしたり、夜ダンスの練習をしているのを見ていたり、休みの日に買い物に出かけたりした。特別楽しいわけではなかったし、矢吹愛里菜の妹だから付き合っていればナマのヤブエリに会えるかもしれないという下心を感じ取ってはいたが、友達どうしで話をする時「ウチの彼氏が」と言えるようになったのが誇らしかった。
 付き合って二週間後にキスをされた。自分が輝子のことをどれだけ好きか、いろいろ言われたが心には何も響かず、言葉の意味だけを咀嚼しながら聞いていると、最後に顔を近づけてきた。あー、コレしたかったんだ、唇震えてんじゃん。特別な感慨を抱かなかったが、離れた顔に少し照れた笑いだけは作ってやると、やたら喜んでいた。付き合うってこういうことなんでしょ、と思いながら、彼氏と別れて家に帰る道すがら、友達連中にキスされた旨をメッセージで報告すると、「おめでとう」とたくさん返ってきて、そちらのほうが嬉しかった。
 それからは会う度にキスされた。別れ際だけではなく、二人で話している時でもずっとキスをしたがるようになった。正直、鬱陶しい。やがて彼氏はキス以上のことを求めるようになってくる。抱き寄せてキスをしながら、やたら体を触ってくる。最初は手や肩だったのが、腰や脇腹を摩ってくる。かといって胸や脚の間については、「いい?」と許可を伺ってくるから否と言った。だいたい夜とはいえ街中の道端でキスしてるのを通りすがりに一瞥されるのも嫌なのに、そんな場所で体を弄ってこようとするなんて、本当にバカだなと思った。いいよ、なんて言うわけがない。
「付き合ってたら普通だろぉ? そろそろいいじゃん」
 輝子が渋ると彼氏はそう言った。付き合ってれば普通だ。その言葉に、輝子は小学生のとき、ベッドに座って壁に凭れながらマンガを読んでいたら隣の姉の部屋から聞こえてきた言葉を思い出した。当時の彼氏がやって来て、二人でテスト前の勉強をしているらしかったが、二人でキャッキャと話す声が漏れ聞こえてくる。うるさいなあ、と向こうに聞こえるように、壁を叩いてやろうかと思ったら、
「愛里菜ちゃん、テスト終わったらさ、親留守のときまた家に来てよ」
 と男の声が聞こえてきた。
「えー……、また、……しようとしてるでしょ?」
「そりゃぁ、愛里菜ちゃんが大好きだもん。ね? 付き合ってたらさぁ、エ、エッチするのは普通だよ」
「だって……、この前すっごく痛かったんだもん」
 小学生の時だったから姉は高校生だった。その記憶が蘇ったとき、ちょうど彼氏がお願いと両手を合わせたから、思わず翌日輝子の家で二人で会う約束をしてしまった。父親はもちろん仕事で家にはいない。決して家計が苦しいわけではないが、家にずっといると陰に籠ってしまうという理由で母親は隔日でパートに出ているから同じく不在だ。姉も大学かモデルの仕事で平日日中はいない。既に初体験を済ませた友達が、最近彼氏に会えなくて人肌寂しい、などと気取っているのを心のどこかで羨ましく思っていた。姉が処女でなくなったのは高校生だ。自分はまだ高校に入っていない。


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