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避暑地の拷問室
【OL/お姉さん 官能小説】

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見てはならぬ秘密絵-1

曽根蔵はSPに命じ小夜子を吊し上げている縄にヨリを掛けさせる。逆海老体勢の小夜子の肉体がクルクルと回転を始める。
「それにしても小夜子君、君は辛抱強い娘だ 駿河問いは拷問の中でも一二位を争うほど辛いものなのだが、気絶もせずに耐え続けるとはさすがに躾けの厳しい小暮家のご令嬢だ 苦しみ方にも気品が感じられる なかなか責め甲斐があるね」
曽根蔵は邪険にも再び荒縄にヨリを掛けさせ、逆海老姿で緊縛を受けた令嬢にアクロバットをさせ満足げにニヤつく。
「あッ、ああッ そ、曽根蔵先生…も、もう堪忍してください ど、どうか…どうかご容赦をッ、ああぁッ!!」
激痛に次第に虚ろになってゆく小夜子の艶めかしい表情は、想像を絶する嗜虐美を醸し出し、サディストの欲望をさらに刺激してしまう。
「ククク、堪忍などするものか 気絶されては面白くない 水だ!! 水ッ!!」
SPの一人が小夜子の意識を確かなものにするべく、避暑地の井戸から汲み上げた冷水をその端正な貌に叩き付ける。白いワンピースドレスが透けた上、華奢な肉体に張り付き清楚な中のエロティズムを拷問者に掻きたてさせる。

「君がやめて欲しいというのならば、私は一向に構わん しかし…」
曽根蔵は苦痛に震える小夜子の顎を攫むと値踏みするように続けた。
「四菱商事が某政治家に闇献金をしていた事実は公表される 君の御尊父の立場も危うくなるだろうね」
この拷問部屋での出来事は口外されることはない。被害者の小夜子自身がやむに病まれず曽根蔵と結んだ歪な「愛人契約」によるものだからだ。肉体関係は結ばない。そのかわり、経済界の大御所の気の赴くままに責め苛まれ、弄ばれることを条件とした猟奇的なものだ。小夜子がこの拷問者の言うがままに女囚となり続ければ、曽根蔵の性癖も、小夜子の受けた恥辱も、そして四菱商事の不祥事も明るみには出ない手はずだった。だが、ひとつ誤算が生じた。この避暑地の拷問室を覗き見している「部外者」が一人いたことだ。

曽根蔵の願望を表す形で作られた地下室は凝った出来栄えだ。小夜子が責め苛まれている部屋の扉には覗き窓が設けられている。中の様子を目を凝らすようにして見つめる一人の少年。それは橋本淳之助だった。目の当たりにした出来事に、彼の血の気は失せ、全身が震えた。しかし、一か所だけ血液が滾るように熱る場所がある。半ズボンの中でブリーフを押し上げる屹立したペニスだ。憧れの女性は今、汚らわしい男に囚われ、この地下室に幽閉され、苛め抜かれている。あの心優しく美しいお姉様が不憫でならない、そしてこんな仕打ちを下した曽根蔵を許せない、という純真な怒りが沸き起こる。だが、その反面、細身の体を縄で縛られ、詰られ、虐められる小夜子を見るだけで欲望の塊は意に反して肥大を続ける始末だ。
(小夜子さんがどうしてこんな目に・・・これは彼女が望んだことなんだろうか)
12歳の少年にもSMといった歪な性戯があることはおぼろげながらに理解できた。しかし、憧れた小暮小夜子がこの権力の権化のような男とそんな戯れをするとは信じたくもなかった。
「ああッ!!」
小夜子の悲鳴が再び響く。そのたびに、12歳の性器は勃起を続け、下半身の疼きは止みそうにない。
(あの野郎、これ以上小夜子さんを苛めるならば)
すぐにでもこの扉をこじ開け彼女を救うナイトになりたい、そう思った瞬間だった。内側から鉄扉が解放されたのだ。前のめりに倒れ込む淳之助を見下ろす拷問者は笑みを浮かべていた。
「ふふふ、坊や やっぱり来たね 見てはいけないものを見てしまったな 折角だ、君も少し付き合いたまえ」
底知れぬ恐怖と淫靡な響きを含んだ言葉だった。


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