私の彼氏のカッコイイところ-3
…マジしゃれにならない展開になって来ちゃったんですけど…それより和之もいい加減気付きなさいよ!!
和之が若菜の両肩に手を置く。そして、若菜と向き合う。
(ちょっとホントにやっちうの!?ねぇちょっと!)そう言いながら二人の顔の距離が縮まっていく。
(わ、若菜、何かの冗談だよね?ホントにやらないよね?ねぇ、ねぇってば!)
もう和之の顔が目の前だ。(もうダメだ!)
そう思って目をつぶった。(正確にという感じでその様子を見るのをやめた) その瞬間、どこかから鈍い音が聞こえた。多分擬音にすると"ごしゃ!"って感じ。まさかキスをした時にこんな音がするわけはない。
そっと目を開けてみる。すると和之が首を押さえて倒れている。これは…
若菜の"伝家の宝刀"のラリアット!をされた後の和之の反応だった。
「若菜か…どうしてこういう肝心な時に…いつもいつも…」そう和之は唸る。
「いつも?最近は久しぶりだったと思うけど?」若菜はそう言いながらニヤリとする。
「まあいいわ、この辺で許してやるか。じゃあ優菜に変わるわよ」
どうやら若菜はあたしのフリをしてた事を言わないでそのままチェンジするつもりらしい…でも、なんでだろ?
そんな事を考えているうちにどうやら人格がチェンジを始めたらしい。だんだんと身体の感覚が戻って来た。そして、感覚が戻り切ったところであたしは和之に言った。
「もう!なんですぐに気付かないのよ!」
「あぁ…優菜…え?何に?」和之はあたしに戻った事を確認しつつ、キョトンっていう感じでそう聞いた。
「って言うか、なんで優菜は緑の事知ってたの?会ったことないはずだけど…」「いや…それはその…」 それを聞いたあたしは放課後に見た事を話しました。すると…
「あぁ!そうだったんだ!って事はようするに優菜はヤキモチやいてくれたって事だよね?」和之はニヤニヤしながらそう言いました。
「そうよ!もうホントに不安だったんだから!」
そう言うとなんだか情けなくて、でも彼が大好きで…そんな感情が渦を巻いて…その結果として涙があふれてきた。
「あぁ!ごめん。心配かけたね。でも、ホントに俺は優菜だけだから…」
和之はそう言ってあたしを抱きしめてくれた。
彼の臭いがする…あたしの大好きな和之が近くにいることを身体で…心で感じる…そして、改めて(あぁ…やっぱり好きだなぁ)と実感する。
彼はちょっと身体を離してあたしの顔を見た。そして、二人の間で静かな合意ができ、キスをした。
キスの後、「もう、不安にさせないから、泣かせないから…」彼は言ってくれた。
あたしはその言葉にコクンとうなずく。
とりあえず今は和之の言葉を信じよう…そして、彼に少しだけ甘えてしまおう…今ぐらいはいいよね?そう思って彼の身体に抱き着いた。また、和之はあたしを抱き返してくれた。
今、あたしは幸せです♪♪