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夜羽球の会
【調教 官能小説】

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七つの刻印-2

「がああああああああああああ――――ッッ!! はやぐッ、はやぐほどいでぇええええええええええ――――
ッッ! ががぜでぇえええええええええ――――ッッ!!」
 小さな檻の中で縛られながら暴れまわる。ガンガンと鉄格子が揺れて、檻ごと床を跳ねまわっていた。
「それはいけないなぁ。その痒みは君の中の悪魔が苦しんでいる証なんだ。今それを抑えてしまうと、悪魔退治が滞ってしまう」
 言葉は半分以上聞こえていない。耳には入っているが、頭で理解ができない。それでも、許可がおりないという絶望だけはしっかりと感じ取れた。
「ぐっぐぐがががががががが――――ッ!! お、おねがい――――ッ! おねがいじまず――――ッ! なんれも、なんでもずるがらァ――――ッ! なんでもずるがらだずげでぇええええ、ダズゲデェエエエエエエエエ――――ッッッ!!」
 涙をボロボロと流す。もう悪魔なんて知ったことではない。これが悪魔の抵抗なら、悪魔の浄化なんてどうなっても構わない。悪魔に毒されて死んでしまえばいいんだ。こんな地獄に耐えるくらいなら、その方が何倍も幸せだ。
 世界がグニャリと歪む。視界がモノクロになっていく。自分の叫び声も、壁を一枚隔てた別世界の音のように聞こえてきた。魂だか心だか知らないが、自分のあらゆる意識と感覚をそぎ落としてしまいたかった。それでも、皮膚を蠢く虫は佑香里を離さない。ワラワラと群がって佑香里の手足を這い回り、逃げようとする身体を押さえつけてしまう。這いつくばって進もうとするが、虫たちはズルズルと身体を引きずって佑香里を現実に引き戻していく。
「ああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアア―――――ッッッ!!!」

「そんなに苦しいかい?」
 混沌の闇の中で、静かに玉が落ちたような音が聞こえた気がした。直観した。この語りかけは、自分を救う天の福音に違いないと。
「は……はいぃ……」
 今にも息絶えそうな声を、なんとか腹の底から絞り出した。狂乱の叫びを抑えてなんとか出せる唯一の声であった。
「そうか。それなら、本当は良くないことなんだが、その苦しみを抑える薬を与えてあげてもいい」
 急激にリアルに引き戻される感覚。ジェットコースターで急降下するように、頭から意識が現実に飛び込んで行った。世界が震撼している。不安と恐怖と焦燥がぐるぐると渦巻いて、虫の形になって身体を取り巻いている暗闇に、一筋の光明が見えた。
「その代わり、もう次が最終手段だ。薬を使って、君の中の淫魔を無理矢理意識の表層に引っ張り出す。そのうえで、その悪魔を拷問して君の身体から追い出させることになる。失敗する可能性もあるが、それでも構わないか?」
 むしろ、それだけでいいのかと拍子抜けがした。この苦痛を取り払えるのなら、今すぐこの四肢を切り落として喉を抉り取って死んでも良かった。いかなる拷問を受けようとも、すべてがあまりにも優良な代価であるようにしか思えなかった。これ以上の苦しみがあるはずがない。これ以上の拷問があるはずがない。死んでしまうことすら、今は救済にしか思えない。佑香里は静かに、しかししっかりと、会長の目を見つめながら首を縦に振った。





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