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鎖に繋いだ錠前、それを外す鍵
【フェチ/マニア 官能小説】

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鎖に繋いだ錠前、それを外す鍵 3.-14

 陽太郎が指を引き抜くと力が抜けて正面から陽太郎に抱きついた。腰をシーツに落とすと、ヒヤリとした感触を脚の付け根や太ももに感じる。こんなにも濡らしてしまったのかという恥ずかしさよりも、こんなに濡らしてくれたという嬉しさに、何度もキスをしながら体重をかけて陽太郎を押し倒していった。勢い余って体の上に乗り上がったのを腰に手を添えて抱きとめてくれる。瞳を開くと潤んだ瞳で自分を見つめてくれている美しい陽太郎がいた。離したくなかった。
「陽太郎くん……」
 シリコンバストに偽られた胸元でも心地よかった。友梨乃は指先で陽太郎の鎖骨をなぞりながら、「……ごめんね」
「何が……?」
 髪を撫でてくれる。涙がこぼれて陽太郎のトップスに染みていった。
「陽太郎くん、が……、いっぱい、してくれるのに、……私、何もしてあげれてない」
 友梨乃は陽太郎に頬を押し付けたまま、なぞっていた指を足元に下ろすと、陽太郎のスカートの中に差し入れていった。シアードタイツの薄布に爪の先が触れると、くっ、と陽太郎が声を漏らした。
「ユ、ユリさんっ……、え、ちょ……」
「だいじょうぶ」
 友梨乃は息を一口飲んで最奥まで手を差し入れた。薄布に包まれながらも硬くなった肉塊の膨らみが指に触れる。驚くほど猛々しく息づいて下腹部に作っている畝をそっと指でなぞった。男の体だ。怖い。呼吸が荒くなってくる。だが友梨乃は唇を結んでもう一度畝をなぞった。
「そ、そんなんせんでええです……」
 陽太郎が慌てて友梨乃の手を掴んで止めようとすると、
「だめ」
 と言って制した。陽太郎を離したくないんだ。もう一度頭の中で繰り返すと、「陽太郎くんにガマン……、させたくない。彼女だから」
「そんなこと言うたって、ユリさん、コレ……」
「……ほ、ほんとはね。ちょっと……、怖い」
「そやったら、別に無理せんでも」
「だめだって言ってるじゃん」
 友梨乃が畝に手を添えて握ると陽太郎の下半身が跳ねた。化粧をした美しい顔がもどかしそうに魘されているのを見ると胸が熱くなって、指をぎこちなく動かしながら身を伸ばして唇を吸った。
「うっく……、ユリさん……」
「きもち……、いいかなぁ……?」
「めっちゃ、気持ちいいです……」
 友梨乃は跨いで四つん這いに覆いかぶさると、努めて微笑んで陽太郎を覗きこんだ。
「陽太郎くんだったら、怖くても、してあげられる……。しなきゃいけないよ、彼女だもん」
 友梨乃は身を起こすと陽太郎のスカートの中に手を差し入れて腰を掴む。タイツと下着を引き下ろそうとすると陽太郎が腰を浮かせた。膝まで下ろし、震えてしまう指でスカートの裾を摘みめくり上げていくと、友梨乃の眼下に張り詰めた男茎が露になって、脈動する度に揺れる亀頭が陽太郎の下腹に向かって揺れていた。突然見せられた時は驚いたが、こうして改めて見るとディルドでは及びもつかな生々しい迫力があった。体の奥から生理的な拒絶感が巻き起こりそうになって、深呼吸をして視線を引いて陽太郎の全身を眺めると、ベッドの上に体を投げ出しているのは友梨乃が好いて止まない女の姿だった。切ない顔をしている。こんな自分を恋いて、求めてくれている。そう思うと異質な塊も、自分が必要としている大切な人の在るべき一部だと思えてきて、禍々とした気持ちが散失していった。
 私は女のディルドが欲しいわけではない。コレなら、コレくらいなら平気だ。いつかきっと、全て平気になれる。友梨乃は反芻しながら見るからに透明の汁に滑っていそうな健やかに伸びる幹に手を伸ばしていく。指先に粘質が触れると陽太郎が更に切ない顔になった。友梨乃は近くで見たくて、手のひらの中に男茎の先端を包み込むと再び身を屈め、陽太郎を覆って顔を覗きこんだ。
「すごく……、熱くなってる。……かたい」
 これを体に埋める勇気はまだ出ない。だがこうして陽太郎を癒やし、愛しんでいくうちに体が陽太郎を受けれたくなるかもしれない。ウィッグの髪を頬に張り付かせて身悶える陽太郎を、自分の体で慰める日がいつか来る。「……きもちよくなって」
「っく……、ユ、ユリさんっ……、きもちよすぎる……」
「うん……。いいよ」友梨乃は陽太郎の唇を啄んで、「可愛い、陽太郎くん」
「あうっ……」
 握る手に力を入れると、陽太郎が打たれたようにわなないた。その反応も愛しくて、友梨乃は舌先で唇をなぞる。
「ここ……?」
 指を蠢かしていくうち、陽太郎が如実に反応を示す箇所がわかって、友梨乃は親指の先で亀頭の裏側の皮が寄り集まった凹みに粘液をまぶすように這わせた。
「あんっ……、そこ……」
 陽太郎が高い声を漏らす。
「私のこと、すき……?」
「あぁっ……、ん、……すき、です……」
 喘ぎながら言う声を聞くと、友梨乃もたまらなくなって、シーツを掴んでいた陽太郎の手を解かせると、自分のスカートの中に導いていった。指先が雛突に触れると膝立ちのまま腰が震えて陽太郎に擦りつけてしまう。手首を離しても陽太郎は友梨乃の恥丘に指を這わせ、柔門に指を埋めて新たに濡れた襞をなぞってくれた。


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