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good communication
【若奥さん 官能小説】

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キレイになってラブラブデート大作戦-2








「いらっしゃいませ」


自動ドアが開くと、エアコンの効いた心地いい空気が頬を撫でた。


南国風なインテリアのせいか、店自体はかなり小さいのに、なんだか開放感がある。


パーマ液の、ツンと鼻を刺すような匂い。


私は天慈くんの行きつけの美容院「blue tears」に足を踏み入れた。


雑誌に載るような有名店だからと言って、一等地にあって大きな店とは限らない。


どちらかと言えばこじんまりした、隠れ家っぽい印象を受けたその店は、市街地からちょっとだけ離れた、人があまり通らなそうな裏通りにあった。


「天慈くんから御予約を頂いております、小野寺里枝さんですね。お待ちしておりました」


と、キョロキョロ視線の定まらない私に深々と頭を下げてくれるのが、店長の天童さん。


私よりも少し年上に見える彼は、口許の髭がワイルドで格闘技でもやっていそうな精悍な人に見えた。


白いシャツに黒の細身のパンツのせいか、美容師というよりバーテンなんかが似合いそうで、一言で言うなら「セクシー」なのだ。


普段は輝くん以外の男の人と話すことなんてまずない私が、こんなかっこいい人に、二人きりの状態で髪を触られるなんて、耐えられるだろうか?


バクバクとさっきから落ち着かない心臓を押さえるように、胸に手をあてながら、私も


「よろしくお願いします」


と、頭を下げた。


「じゃあ、まずは髪のセットから入らせてもらいますね? どんな感じにしたいですか?」


柔らかな笑顔にモジモジしながらも私は、


「あ、あの、この服に合うように……」


と、今自分が着ているワンピースを指差した。


これは、少し前になけなしのヘソクリで買った黒いワンピース。


地元のショッピングモールに入ってるお店のそれは、お手軽な値段が売りのブランドだから、独身の頃にポンポン買ってたブランドの服よりはるかに安いんだけど、自分のために服を買うなんて、久しぶりだったから、レジに持っていく時はドキドキしたっけ。





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