投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

good communication
【若奥さん 官能小説】

good  communicationの最初へ good  communication 30 good  communication 32 good  communicationの最後へ

キレイになってラブラブデート大作戦-1

そして、決戦を迎えた、とある夏の朝。


音を立てないように玄関のドアを閉めた私は、門口からそろそろと足を踏み出し、ヒールでアスファルトを鳴らしてから、思いっきり伸びをした。


天慈くん、もうすぐ到着する頃かな。


小さなストロー素材のクラッチバッグからスマホを半分だけ出して、時間を確認すると、再びまたしまう。


7時をまわったばかりの土曜日の朝は、町全体がノンビリとしている。


対して私は、ついに今日という日を迎えたんだと思うと、武者震いなのか、膝がプルプル震えていた。




輝くんが休みの朝は、家族揃ってちょっと遅い朝を迎えるのだけど、ついに「キレイになってラブラブデート大作戦」が始まった今朝はいつもより早く起きたのだ。


ちなみに、このセンスのない作戦名は天慈くんがつけたもの。


今までオシャレなイケメンだと思っていた彼に、オネエ疑惑が浮かび上がったせいか、この作戦名のこっ恥ずかしさは2割増し。


だけど、彼がいなくてこの作戦は遂行できないので、不本意ながらもこう呼ぶことになった。


作戦の概略は、輝くんと瑠璃の朝食を用意し、私は美容院「blue tears」に向かう。


その間に天慈くんが家に来て、瑠璃を預かる。


輝くんには「今度保育所で実習があるから、瑠璃と一日遊びながら子供への接し方を学ぶ」なんて、いかにもありそうな名目で瑠璃を誘う手はずになっている。


天慈くん(20)と瑠璃(5)も、ここでデートになる。


そして、一人残された輝くんには、天慈くんから私からの伝言を聞かされるのだ。


――10時にS駅の西口で待っています、と。


……よし、完璧。


ただ、美容院の予約は8時半からだから、もう少しゆっくり家を出てもよかったけど、今日は朝から輝くんと顔を合わさない方がいいと思ったから、彼が起きる前に朝食を用意してから、家を出た。


だって、今日は特別な日だから、いつもの生活感溢れる姿を見られたくないんだもの。


とびっきりキレイに変身して、待ち合わせ場所に現れて、輝くんをドキッとさせてやるんだから。


早くも輝くんの驚く顔が目に浮かんで、ニヤニヤしてしまう。


天慈くんのサポートを受けながら始まった「キレイになってラブラブデート大作戦」。


ニヤついた顔で空を仰げば、抜けるような青空。


どこからか聞こえてくる小鳥のさえずり。


うん、今日はいい日になりそうだ!







good  communicationの最初へ good  communication 30 good  communication 32 good  communicationの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前