家出娘-1
岡田透はマンガ喫茶やインターネットカフェで、出会い系サイトで待ち合わせした女性と待ち合わせした。
岡田透は二人分の会計を済ませた。
「手持ちが足りなくなるかと思ってあせった。ありがとうね、おじさん」
「おじさんか……」
「当たり前じゃん。私、まだ高校生だもん。エッチなことしたら警察に捕まっちゃうよ」
「そうか。じゃあな」
「えええっ、ま、待ってよ」
あわてながら、岡田透の腕をつかんだ。
「私、行くところないんだけど。せめて、何か食べさせてよ！」
必死な表情である。
岡田透は立ち止まり、自称女子高生のホームレスの表情を見た。涙目で見上げている。爪が食い込むほど強く腕をつかんでいる。
岡田透は宝くじが当たる直前に貯金が底をついたときの嫌な記憶がよみがえった。
「何が食べたいんだ？」
「マックのフライドポテト」
「なんで、それ？」
「私の主食だから。でも、今日は何も食べてないから倒れそうかも」
岡田透はため息をついた。
「中華料理でいいな。おかゆ食べろ」
自称女子高生のホームレスは少食だった。
お粥や杏仁豆腐、それに北京ダックや中華サラダをお粥と一緒につまんで「ごちそうさま」と言った。
二人で注文した品物をかなり残してしまった。
「持ち帰りにするか？」
「悪くなったら食べられなくなるからいいや」
岡田透は眉をしかめた。
インスタントラーメンを四分割にしてそれをちびちび食べたりしたことを思い出したからだ。
「……じゃあな」
中華料理店で会計を済ませた岡田透は、この若い女性のホームレスにまた言った。
「待って。サイトで別２でって約束したじゃん！」
岡田透が周囲を見渡した。
職務質問されたらめんどうだと岡田透は考えた。
別２とはホテル代は別で２万円という意味である。
「その時計、高いやつだよね。雑誌で見たことあるもん。ねぇ、泊まれたら文句言わないから。お風呂入りたいんだもん」
「……で、困って拾ってきたんですか？」
長谷川弥生は岡田透の後ろに立っている少女に手招きした。
「洗濯物あったら洗うから。あと、お風呂は用意するからとりあえず待ってね」
「あの人、おじさんの奥さん？」
「彼女だ」
「ふぅん、そうなんだ」
小声で聞いてきたので、岡田透はホームレスの少女に答えた。途中で適当に服や下着を購入したので、風呂上がりはそれらを着ている。
「今夜は泊まっていきなさい。わかった？」
「はい。お世話になります」
このホームレスの少女が家出した理由やそれから援交で岡田透に会うまでの話を聞いて、弥生は少女を泊めることにした。
「嫌がっても、濡れてるなんて、淫乱な娘だ。しゃぶれよ、嫌なら挿れるぞ」
再婚した父親に母が留守の間に強引に迫られて、フェラチオさせられたこと。
嫌なのに、体を弄られていると感じてしまう。それが嫌だった。
そのうちに自暴自棄になって、快感に溺れる生活に慣れてきたこと。母親にばれて、手を出してきた義父ではなく少女が「泥棒猫」と罵られたこと。
家出して地方から出てきてホームレスになった。
「痛いっ、やだぁ、もうやめて」
押し倒されてまだ濡れていないのに挿入された。
太った男で体重をかけて押し倒されたら、逃げられなかった。睡眠薬で意識が朦朧としていても破瓜の痛みは激しかった。
少女が痛がっていても、鼻息を荒くして汗だくになった男は、黙って腰を揺する。そのたびに激痛で少女は左右に顔を振って、のしかかっている肥満した贅肉を押し退けようと抵抗した。
ナンパされて、お酒を飲んだ。それに何か薬を入れられていたらしい。酔って歩けなくなっているうちに、路地裏で襲われた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
男は少女をレイプすると、血まみれのぺニスのままズボンを上げて、裏路地から走って逃げた。
(ひどいよ、中に出すなんて最低……)
やり逃げされてしまい処女喪失。
たまたま、まだ携帯電話が使えているうちに出会い系サイトに登録して、岡田透に出会ったというわけだ。
「綾はどうするつもりなんだ？」
「まだ、わからないけど。家には帰りたくない」
援交はしたくなかったが、虐待やレイプされたことで自分の体を売ることに、ためらいながらも飢えや不安から手を出したのである。
家出娘は高橋 綾(たかはしあや)。
風呂上がりに綾のロングヘアーの黒髪を、弥生は乾かしてブラシをかけていた。
「綾ちゃんはかわいいし美人だもん。髪もさらさらだし、顔も小さいし、別２はないよ」
「弥生さん、私の値段、いくらぐらいなら妥当だと思いますか？」
「岡田さん、どう思う？」
「俺に聞くなよ、女子高生だって聞いて買うのあきらめたんだから」
二人が姉妹のように笑うのを見ながら、岡田透は煙草をふかしてそっぽをむく。
綾はリビングでソファーで寝ると言ったが、弥生は自分のベットに綾を寝かせた。
「疲れてたのね、もうぐっすり寝てる」
リビングで岡田透の隣に腰を下ろした弥生が言った。
「あ……んんっ、ダメだよぉ、綾ちゃんに見られたらはずかしいでしょ……んあっ、ちゅっ、んんっ……」
岡田はキスをしながら、弥生の豊満で敏感な乳房を部屋着のＴシャツの上から揉みしだいた。Ｔシャツの中はノーブラである。
(岡田さん、綾ちゃんのこときっと好みなんだ。そうじゃなきゃ、連れてこないよね)
シャツをめくられて、乳首を舐め転がされると弥生は声を出さないように我慢しなければならない。もう、あれこれ考えている余裕はなかった。
「入れるぞ」
弥生がうなずくと、岡田がぺニスを当てがい、弥生のわれ目を開きながら、ゆっくりと根元まで押し込んでいく。弥生が声が出そうになり手のひらで自分の口をふさいだ。
「ひゃんっ、あぁんっ……」
弥生の口はふさがれているので、弥生の声ではない。