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はるかぜ
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ブバルディア-6

雨水がギターを構える。
キーボードの霞さんがそれに合わせて音を奏でる。
ベースの月夕さんがそれには入ったきて
始まったんだ、と気を引き締めた。

少し俯きブーケをそっと胸元に当てる。

大きな扉の奥の薄暗い回廊から聞き慣れた歌声が聞こえてきて足音が近くなる。
暁は他の皆とは違い白いタキシードでわたしの前でおとぎ話の王子のように恭しく頭を下げた。

わたしもそっと膝を折り挨拶を返し差し出された暁の手を取る。

扉がエキストラによって開かれる。
歴史があるのをひしひしと感じる内部に思わず溜め息が漏れた。

暁にエスコートされそっと中にはいる。

赤い絨毯の上を衣装が綺麗に映るように歩く。
中の椅子には誰も居なくてステンドグラスの明かりがやんわりと室内を照らしていた。

牧師さんが真ん中に立っていて彼を見つめながらゆっくりと歩く。
背後からは雨水たちが楽器を弾きながら入ってくる。
霞さんが横を抜けて古いオルガンへと向かった。


牧師さんの前に立つと霞さんがオルガンを弾き始める。
rainの曲じゃない。
それに合わせて雨水たちも楽器を奏でる。

そっと暁を見ると目があっていつもの優しい笑みで頷いた。
これも予定通りなんだ、と思って微笑み返した。


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