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はるかぜ
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ブバルディア-7

暁がわたしの方を向いた。
わたしも同じように彼の方を向く。

それに合わせて音楽が止まる。

暁はそっと片膝を着いて私の手を取る。

「りつ」

名を呼ばれた。思わず顔を上げてしまった。 今、撮影中、だよね。

目の前に居る久しぶりの春風の顔。 みんなとは違う白いタキシード。手袋。

頭が混乱する。 何が起こってるの?

これは撮影だよね?

そう言い掛けたとき春風が手に口づけをした。

「りつ、今から大事な話をするからちゃんと聞 いて欲しい」

思わずカメラや雨水を見ると暁の方を指差し た。

「は……る?」

彼に取られた手がきつく握りしめられる。

「初めて会ったとき俺はぼろぼろで、そんな中何も言わない俺を信頼してくれたあなたに俺もあの時に好きになりました」

春風は私をまっすぐ見ていてその瞳が離してくれない。

「ご両親やお姉さんや友達と離れ離れになるのに東京に来てくれて、俺の側に居るために芸能人になってくれて本当に感謝してます。ありがとう」

涙か溢れてきそうになる。メイクが落ちちゃうから必死に我慢する。
春風が空いている手で胸ポケットから何かを取り出してそっと箱を開けた。
並んでいる二つのきらきら光るもの。


「う、そ」


思わずつぶやく。春風がそれを聞いて困ったようにいつものように柔らかな優しい穏やかな笑みをわたしに向ける。

「結婚してください」

涙がぼろぼろこぼれ落ちる。瞬きをする度に。もう我慢なんか出来なかった。
ブーケの花にそれは落ちてきらきらと輝いた。
春風がわたしを見つめてる。
見なくても分かってしまう。

「……はい」

だら、それしか言えなかった。


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