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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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3.広がる沙漠-15

 肯定の返事を悉には見せずに、紅美子がひたすら舌を絡めていると、
「しよう」
 と指が引き抜かれ、湯船に浸けられていたもう片方の脚も縁に乗せられた。M字に開いた脚の中心に猛々しい男茎が向けられてくると、紅美子は両手を井上の腰に伸ばし、その上気した表情を眺めた。
「嫌がらないのか?」
「……」
「欲しいって言えよ」
「……言わない。殺したいもの」
「キスはして欲しかったのに?」
「そう」紅美子は眉間を寄せて井上を見上げた。「……イヤなら挿れないでもいい」
 亀頭が入口をくぐってくる。
「んあっ……! ……へ、平気。あんたに挿れられなくても」
 ズブズブという擬音を体現するように体に響いてくる。押し広げられる感覚に視界を曇らせ、「平気。……明日、徹がいっぱいしてくれるっ……」
 紅美子がそう言った瞬間、井上の黒目に姦虐の炎が一気に燃え上がって、両肩を強く掴まれ、一気に奥まで突き込まれた。
 軟蓋を強く先端に打突されると、紅美子は大きな声を上げた。
「……声をっ……、出すなっ……」
 怒りを露わにした井上がもう一回水音を湯船に鳴らして腰を打ち付けると、紅美子が大きな喘ぎを発した。
「……徹は、どんだけ、声、……あげても、そんなこと言わない……!」
「やめろっ……!」
 打突の悲鳴の合間で息絶え絶えに言うと、ホテルで無理強いされた時と同じように手のひらで口を塞がれた。井上が情欲をムキ出しにして腰を何度も脚の中心に打ち付ける度、必死に目を閉じずにこれまで見せなかった井上の焦燥を見続けた。
「……イクッ……」
 井上にも聞き取れない濁点が混ざる声を手のひらの中に叫び、男茎を強く締め上げて中に引きこむと、全身を硬直させて紅美子は果てた。押しとどめられない激情を込めて井上が腰を揺すり続けると、紅美子はエクスタシーが持続したまま全身がランダムに痙攣する。
「つかまれ」
 井上が紅美子のM字の膝裏に腕を通し、背中を抱いて抱え上げると、紅美子の体は宙に浮いて自重により更に深く男茎が奥まで抉られた。
「ああっ!!」
 井上が命じに背いて、歩く度に下腹部が揺すられて声を上げる。そんな紅美子の唇をキスで塞ぎながら、井上は露天風呂を出て寝室へと入って行った。先ほど紅美子が灯した暖色の光の中で、拭っていない体から垂れ落ちる水滴をポタポタと畳にも布団の上にも垂らし、挿入したままで紅美子を降ろしていく。
「……布団、濡らしたら怒られる……」
 敷布団を湿らせているのを背中で感じた紅美子が言うと、
「どうせ君が濡らして汚す」
 井上は仰向いても美しい起伏で誘っているバストを両手で掬う。「体を拭くために抜くのも惜しい」
「……んんっ」
 井上が正面から腰を揺すると、再び紅美子の下腹部に甘美な潤いが広がっていく。
「……君に殺されたくなる。本気で」
 激しく腰を揺すりながら井上が吐露すると、
「素直に……、私を『好き』って言えばいいじゃないっ……!」
 男茎に掻き回されて体中を蕩けさせながら紅美子は井上を睨みつけた。
「……君にそうやって睨まれないと愛せない」
 息を切らせた井上が体を伏せて顔を近づけてきた。これまで身震いさせられてきた眼に、縋るような色を見た紅美子は、ますますその視線から離れ難くなる危惧を感じながらも、憎い男を鋭い視線で見つめ返していた。
「くっ……。やっぱり頭おかしい、あんた…‥」
「ああ。でも君は僕に抱かれてこんなに感じてる」
 亀頭がGスポットを強く押し上げると、紅美子は爪先までピンと脚を伸ばす。「君に徹くんがいなければ、僕は君を愛せない」
「っ……、っ……!」
 霞む視界にビクッ、ビクッと雷にでも打たれたように体が跳ね、爪先が弾んでいるのが見えて、やっと自分が「いまイッている」ということに気づいた。徹の名を聞くと、体中を自戒の心地よさが駆け巡る。
「私は、徹しか、好きじゃないっ……。徹が好きっ……!」
 井上が男茎を抜き取ると、最後にぬぷっという感覚とともに、尿道からビュッと潮が吹き出して布団を汚した。体を裏返され、ヒップだけを高く上げさせられる。枕に額を押し付け、シーツを両手で握りしめていると、背面から再び男茎が入ってくる。奥に届く瞬間、大きな声で徹の名を呼んだ。
「……君も、徹くんがいなきゃ、こんなに感じることはできない」
「そんなことないっ……。徹がいれば、いいっ……」
「ウソだ」
 見ているだけで卒倒するほど艶かしい紅美子の細い括れを両手で掴み、井上は角度も向きも変わった内部へ力強く腰を打ち付けた。打擲の音が結合部に鳴る。菊門まで見られている視線を感じながら、イッたばかりの内部を抉られて紅美子は背を波打たせた。シーツについていた両腕が背後に回されて肩が捻るほど引かれると上体が宙に浮いた。そこへ何度も井上の腰の打擲が見舞われる。長い髪をフルフルと揺らしながら、紅美子は声が出なくなって口を開閉した。


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