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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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1.違う空を見ている-5

「変態」
 また紅美子が言うと、徹が大きく胸を喘がせて震えた溜息を漏らす。「私だと、こんなふうになっちゃうんだ」
 と言って紅美子は徹にしがみつくように抱きつき、頬に飛んだ精液を舐めとりつつ肌身を摺り寄せた。
「あっ、だめだよ、クミちゃん。汚れちゃう」
 紅美子が体を擦り付けように抱きつくと、ポロシャツに飛んだ夥しい精液が肌との間にヌルヌルと擦れる。
「いいのっ。……徹がいっぱい出したヤツだから」
「あうっ」
 徹は紅美子の言葉に感激して、「大好きだよぉ、クミちゃんっ……」
 細身の滑らかな背中を抱きしめてきた。魂まで吸い取るようなキスをしてやり、精液の染み込んだポロシャツの上から乳首を引っ掻き、もう一方の手を足元へ巡らせて、発射したばかりの男茎の先をいきなり強く握って亀頭に親指の爪を立てる。
「あっぐっ! ク、クミちゃんっ、ダメだよっ」
「なんでダメ?」
「だって、出したばかりで……」
 敏感になっている亀頭に爪を立て、噴射口を擽り、僅かに拳を上下してやっただけでも、徹が電流に打たれたように全身を痙攣させる。
「私、奥さんにしたら、一生こんなだよ? いいの?」
「んっくっ……、いいっ! クミちゃんじゃなきゃイヤだっ……!」
 朦朧としながら、言われるままに口走る徹が愛おしくて仕方なくなってきて、
「私も好き」
 と耳元で言ってやると、遂に本当に徹が目尻から涙を流し始めた。紅美子は跨いでいた膝をずらして亀頭を自分の体の中心に導くと、腰を使って艶美な丸みを呈する恥丘のクロッチ布で擦ってやる。
「コレ、好き?」
「うんっ……、ああっ、すごく気持ちいいっ」
「……ほんと、変態。私と結婚してもずっと変態でいてくれるよね?」
「うん、……、前からずっとクミちゃんが全てだって誓ってるじゃんっ……」
「そうだったね」
 徹の亀頭の感触を下着越しに感じながら、紅美子は身体の奥まで蜜を充満させていた。徹の大きくなった亀頭でショーツの中のクリトリスを弾き上げると、さすがに紅美子も溜息が漏れて唾液を飲み込んでしまう。
「クミ……ちゃん、したいよ」
「なに?」
「クミちゃんに入れたい」
「どこに持ってる?」
「……」
 徹は言い淀んだ。隠しているわけではない。あまりの紅美子の攻めに記憶すら曖昧になっていた。
「……ママに言われて期待してるんだったら、絶対ダメだよ? ほら、どこにあるの? やめちゃうよ?」
「あ、……あ、……ちがうよ、えっと、ズボンのポケットの中っ」
 慌てて徹が言うと、紅美子は前ジッパーを開いているズボンのポケットを探った。
「みっつもある。そんなにするつもりなの?」
「……もっとしたい。もっと仕舞ってあるよ」
「もおっ……」紅美子は微笑んで、早く付けたくて焦りの手を伸ばしてくる徹の指からコンドームを離し、「今日は私が付けてあげる。徹が変態すぎるから、特別」
 爪で袋を破ると中から取り出したコンドームの精液溜まりを指で摘んで亀頭に押し当て、空気が入らないように強く握って被せていった。ずっと紅美子は徹に避妊を強いてきた。そもそも十年前、初めて体を合わせた時に紅美子が出した絶対条件だった。徹は律儀にそれを守り続けている。
「クミちゃん……、どうしてそんなことできるの?」
「ん?」
 根元まで付け終って見上げると、徹が嫉妬に満ちた潤んだ瞳で紅美子を見つめてきていた。初めてなのに何故そんなことができるのか……。その理由が不安となって徹を苦しめているのがよく伝わってくる。
「……誰かで練習した、って言ったら?」
「狂って死ぬ」
「もー、なによ」もう一度紅美子は微笑んで、伸ばして尖らせた舌先で徹の唇だけでなく、頬も眉も、鼻筋にも這わせてやると、「そんなわけないでしょ? 小学校の性教育で一緒に習ったじゃん。徹が付けてるとこも見てるし」
 再び紅美子は徹の下半身を跨ぎ、自分で下着の縁に指をかけて横にズラした。紅美子のヘアは秘門の両側まで薄く生いていながら、さほど手入れもされていないのに整然とした美しさを見せていた。しかも入口から溢れた蜜で萎なっている。せっかくコンドームを付けたのに、押し当てた徹の男茎はすぐにでも爆発しそうだった。しかし紅美子はそれでもいいと思いながら、婚約者がウットリと見上げる表情に全身を熱くさせて腰を下ろしていった。


「なーんかもう、長谷さん、ツヤツヤしてんのがムカつくんですけど」
 向かい合わせのデスクから紗友美が言った。
「は?」
「彼氏……、あ、婚約者に会いに行ったんですよね、土日」
「そうだけど」
「あーん……」両手を組んで頬に寄せながら、「遠距離のアノ人と限られた時間で、お互いの愛を確かめ合ったんですねぇ……。想像するだけでタマらんわ、これ」
 体をくねらせている紗友美を、紅美子は冷然とした表情で、俯くとデスクに垂れかかって読んでいる伝票の邪魔をしていた髪を耳に掛け、
「あのね。どうでもいいけど、手、動かして? 終わんないよ、今日。こんなにあるんだから」
 伝票の束を叩いた。


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