運命の銃弾-6
若菜は自分でも不思議なぐらいに冷静沈着でいられた。田口は銃を構え自分を狙っている。しかしそんな田口を冷静に見れていた。
「私は男にも力で負けない。あなたがそれを一番分かってるんじゃないの?」
互角に渡りあっている若菜の実力を身にしみて分かっているのが田口だ。
「生意気な…。」
「男と互角に渡り合える女の出現にあなたは今、動揺している。そして女の子に虐めを受けていた頃の自分より強い女の記憶が蘇りその時の女の恐怖を思い出し、あなたは今、私を恐れている…。」
淡々とした口調が田口の体に響く。
「お、俺が女を…?ハハハ!」
笑う顔もどこか引きつっているようにも見えた。
「気の強そうな女から天皇陛下の娘まで完膚なきまでに犯してきた俺に何を言ってるんだ?気の強そうな女は2、3度ビンタしてやれば大人しくなった。婦警はマンコに銃を挿入してやればションベンを漏らし、天皇陛下の娘は最後まで震えながら俺に処女を奪われた。俺に敵う女などこの世にいない!」
田口の言葉を掻き消す一言を若菜が言った。
「私以外は、ね?」
一瞬水を打ったかのような静寂が起きる。
「お前だけはぶっ殺さないと分からないようだな!」
「どうだかね。」
視線を全くずらさない若菜が立っている場所は偶然にも静香の血がしみついた床の上であった。静香の強さが若菜に乗り移ったのかもしれない。若菜は自分の能力以上の強さを間違いなく感じていたのであった。