同じ穴のムジナ-8
部署へ戻る若菜。杏奈には東京へ行きモデルや芸能人に麻薬を売っているであろう田口の愛人であり高校の先輩であるモデルの高梨愛理の捜査を依頼する。
「高梨愛理は堂々と生活し仕事しています。それだけへまは踏まないという自信がある証拠だし、先輩の捜査資料から人を食うような性格で手ごわそうな相手だと言う事ですが、田口とはかなり深い関係である事は間違いありません。慎重に捜査お願いします。田口が所持する麻薬の仕入れ先、そして何より田口の居場所を突き止めるのが焦点となります。」
杏奈は頷く。
「任せて。必ず尻尾を捕まえてやるから。」
「はい。くれぐれも気をつけて下さい。」
明日から杏奈は東京へ行き専門の麻薬捜査に乗り出す。俊介はいなぎ市に戻り矢沢と亮子の取り調べ、そして地元警察と連携して麻薬やレイプ事件の指揮をとる事になっている。
「俊介、今日時間あるかな…、夜」
「ん?ああ、あるよ。」
「泊まってもいい…?」
「ああ。」
「じゃあ後から行くね?」
「ああ。気をつけてな?」
出張帰りの俊介は明日からの出張に備え勤務を終えて帰って行った。若菜は湯島武史と渡辺麻耶殺害事件の検証を行い夜の22時頃に勤務を終えて俊介のアパートへ向かう。
俊介がドアを開けるとすぐに若菜が抱きついて来た。そしてそのまま激しいキスが始まる。俊介の手には戸惑いがない。若菜の体を撫でながら慌ただしく服を脱がせて行った。それは若菜も同じだった。俊介の男らしい肉体に若菜は興奮し、若菜のグラマラスなたまらない肉体に俊介は燃える。
「若菜…!」
俊介は玄関のドアに若菜の背中をつけさせ右足を持ち上げる。俊介の首に手を回す若菜。
「ああん!」
俊介のグンッと反り勃ったペニスは若菜の中に挿入された。愛撫はなかった。しかし若菜はすでに濡らしていた。濡れていなくても、痛くても若菜は俊介のペニスを受け入れていたに違いない。俊介になら痛くされようが苦ではない。しかしその心配もなく潤沢に濡れた性器は俊介のペニスを快く迎え入れた。
「ハァハァ…若菜…!」
「ああん…!俊介…!ああん!」
興奮気味の手つきで若菜の胸を揉み上げる俊介。腰をガンガン振りながら若菜の肉体に燃える。
「ああん…!凄い…、俊介…ああん!気持ちいい!」
「ハァハァ…俺もだ!」
俊介は若菜の腰をつかみそのまま体を持ち上げる。そして歩き出しキッチン台へ腰を下ろさせて腰を振る。
「ああん!こんな所で…!」
もし新婚で料理をしている最中に旦那が我慢できなくなりセックスを始めたら燃えるシチュエーションだろう。しかし若菜は思う。自分には縁のない事だと。若菜にとって結婚という幸せは自分にはないと心に決めているからだ。
2人は燃えた。深夜3時まで何度も抱き合ってから俊介の胸の中で眠りについた若菜。自分とは無縁の幸せな夢を見たのであった。
若菜は朝が嫌いになった。それは偽善者としての一日がまた始まってしまうからであった。