サオリ-1
生徒会室に行くと、副会長の立野と言う男と書記の保田サオリが2人きりでいた。俺が声をかけるとがばっと反射的に体を起こして立ち上がったサオリが「はい」と短い返事をして入り口に来た。
「何か御用でしょうか」
サオリは俺と同じクラスだし、いつも女王みたいに振舞っている癖にこのときだけは敬語を使って妙に丁寧だった。俺は言った。学校祭の出しもの用の申し込み用紙を貰いに来たと。
「これですね。どうぞ」
サオリは気味が悪くなるほど丁寧に手渡すと俺を見送った。俺はそのまま教室に向かった。そう、確かに本物の俺は教室に向かった。だがもう1人の俺はそこで回れ右をして見送って立ち止まっているサオリの方に歩いて行った。
引き返して来る俺の姿を見てサオリはびっくりして立ちすくんだ。俺はサオリにタックルすると仰向けに倒した。
「立野君、助けて。海野が……」
俺は赤シャツの前を掴んで思い切り開いた。ボタンが飛んで散らばると、白いブラジャーがむき出しになった。
「な……なにするのよ! 痴漢。」
サオリは力が強かった。俺は上に被さっていたが撥ね飛ばされた。だが起き上がろうとするサオリのスラックスに掴まるとホックを飛ばして一気に下にずり下げた。
「きゃっ、やめて! 海野気でも違ったの」
スラックスを直そうとしたサオリを俺は押し倒して背後から首を絞めた。頚動脈を圧迫すると3秒で落ちた。
俺は赤シャツを使って後ろ手に縛りブラジャーもパンティも取り去った。つまりちょっと失神している間に全裸にしてしまったのだ。
俺は自分も服を脱いでサオリに抱きついた。目が覚めたサオリは悲鳴をあげた。
「何してるのよ! 気違い。変態。気が変になったの。あっ、何縛ってるのよ。きゃっ、気持悪い。裸で抱きつかないで。馬鹿馬鹿」
クラスの女王さまはパニックになっていた。俺は予めサオリの足の間に体を入れていたから、足を開いた状態をキープさせていた。そして生え揃った恥毛に手を当てて撫で回した。
「やめてー。けがわらしい。触らないで。お前が触れる体じゃない。」
俺は空いてる手で生徒会室を指差した。あいつなら良いのか? そこでは立野がもう1人のサオリと抱き会ってキスをしていた。
「どういうこと? 私は夢でも見ているの? どうしてあそこにも私がいるの? そしてこっちには全然気づいてないみたい」
良いか? お前達2人はこの後関係を持って、お前は妊娠して大騒ぎになったんだ。立野はもちろん責任を取れる立場じゃない。結局赤ん坊は堕したんだ。
だがお前は俺が今頂いてやる。俺の場合は妊娠させる心配はない。
「海野、あんたは未来が分かるの? あんたとならどうして妊娠しないっていうの」
俺は未来から来たから未来が分かる。お前は上の学校に進んでそこで知り合った学生と一緒になる。そして子どもはできなかったが、幸せ太りしてすごいデブになる。
俺は毛をかき分けて豆を探ると指先で擦りながら話を続けた。勝気なお前は親戚の間でもおっかない叔母さんだと甥や姪の間でも恐れられている。
「あっ、何してるの?そんなところ擦っても、私は何にも感じないんだから、無駄よ」
良いさ、感じなくても。時間はたっぷりある。そのうち感じるだろう。今俺たちはあそこにいるもう1人のお前とは違う時間帯にいる。
大きな時間の流れからちょっとだけ横道にそれたところで。どこにも通じていない袋小路の時間だ。だからこの時間には未来がない。今セックスしてそれだけで終わる一話完結の世界だ。だから妊娠などしないんだ。
じっと我慢しているサオリの目がやがて充血して来て濡れて来た。薄く開いた唇から白い歯がこぼれて見える。やがて目を細めると鼻息を荒くして来た。逝きそうなタイミングを見計らって、俺は途中で手をとめた。
「な……何やめるの? 中途半端で変になるよ。分かったよ。謝るよ。あんたのことは随分馬鹿にしたし。意地悪もした。それはあんたがだんだん成績が良くなって来て私を抜かすようになったからよ。でも私がしたことが分からないようにうまく女友達や男を使ったんだけど、陰に私がいたことはばれていたみたいね」
俺はうんうんと頷いて聞いてやった。だがそんなことは気にしていない。俺はそういうお前にすら魅力を感じてこっそりおかずにしていた自分に腹が立っているんだ。
こっそりおかずにしないで堂々とこんなことしたかったんだ。じゃあ、お前が折角謝っているんだから逝かせてやる。俺はピッチを速めてサオリが体を震わせ悲鳴を上げるまで続けた。
俺はぐったりしたサオリの手を解いてやると四つん這いにさせて後ろからペニスを挿入した。まだ処女だったらしくかなりの抵抗があったが濡れていたので根本まで突っ込んだ。
痛いかもしれないけれど、俺が逝くまで付き合ってもらう。もっとも立野とやったときも似たようなものだったと思うが。俺はペニスをゆっくり出し入れした。健康優良児のサオリは腰も良く発達していた。
裸の尻を見ながら腰を動かしていると、やっと女王さまを征服した気がして来た。こいつがいつも俺の人生の途上に思い出として顔を出し、生意気に威張り散らすので、トラウマになっていたんだ。最後に俺はだんだんピッチを速めて高まって行った。サオリも声をあげていたが、気持ちが良いからか痛かったからか分からなかった。俺は射精をしたときに胸のつかえのようなものも一緒に体から出て行くのを感じた。
俺はサオリが快感を感じるまで休憩を挟みながら何度も繰り返した。どうせ時間制限はないのだから俺はサオリと普通に交歓できるようになるまでセックスをした。
「ずいぶんやったね、私たち。もう気がすんだ? 海野君、とってもよかったよ」
サオリはあの意地悪で傲慢な顔つきはなくなり柔和な表情でそう言って微笑んだ。
俺はその言葉を聞いてその時間から姿を消した。