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冥土の土産
【SF 官能小説】

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カスミ-1

 海岸で俺はビキニ姿の若い女とビールを飲んでいる。土地の若者トシゾウと散歩していたら偶然女が1人で岩場に腰掛けてビールを飲んでいた。名前はカスミだ。きつい目をしたカスミは俺たちにも座るように言うとビールを注いでくれた。
 それにしてもカスミはスタイルが良い。眩しいほどの白い体に長い手足。くびれたウエストにセクシーに窪んだ臍。それを惜しげもなく曝してのけぞるようしてビールを飲む。
「あんたが新しく来た組織の人かい? ずいぶん頭が良いって話じゃないか」
 いやいやと俺は否定する。この土地のことは良く分からない。全国あちこち廻るけどいつも初めての土地で右往左往してるんだと。
 ここまでは過去にあったそのままの行動だ。そこから外れたことを言ったりしたりすると時間系列の枝分かれが始める。
 俺はカスミとトシゾウの見てる前でシャツを脱いだ。
「あれ……裸になって、泳ぐのかい?」
 この瞬間新しい俺とカスミは、3人から数m離れた岩場に移動した。だがカスミは気づいていない。
「あっ、なんだよ? ビールがなくなった? トシゾウも」
 俺は黙って3人が喋っているすぐ近くを指差した。カスミは驚いた。
「な……なんだぁ? おーい、トシゾウ! それにあたし。海野、あんたも、あそこで知らん振りして飲んでるよ」
 俺はカスミの肩に手を置いた。お前はトシゾウに頼んで俺をここに来るようにしむけたんだろう?そして自慢のナイスボディが俺によく見えるようにビキニを着て飲んでた。確かにくらくらっと来たよ。でも俺は組織員だ。地元の若い娘と間違いは起こせないから、この後お前の話をじっくり聞いてから大人しく別れたよ。
「な……なに言ってるんだよ。あたしがお前なんかに関心があるとでも言う積りかい」
 俺はズボンも脱いだ。パンツは既にテントを張った状態だ。
「あっ、あんたあたしの前で勃起して。いやらしい奴だなあ。こんなとこで何する積りだよ」
 決まってる。お前とセックスするのさ。お前も実は俺とそうなりたかったんだろう?俺はパンツも脱いでビンビンに勃った男根をカスミの目の前に突きつけた。
「気でも狂ったのかい? この海岸でやれる訳ないだろう。」
 俺は3人の方を指さした。まだ気づかないのかい。あそこにいるのは本物の俺たちだ。お前もいるだろう? だがここにいる俺たちの姿は誰にも見えない。時間の流れのエアポケットに入っているから何をしても誰にも分からない。
 「そういうことかい。」
 カスミはそう言うと、俺の見てる前でビキニを脱ぎ捨てた。そして全裸になった姿を海をバックにしてポーズをして見せた。
 全く無駄肉のない綺麗な体だった。これがこの後飲み屋に勤め出して数年もするとむくんだ顔にあれた皮膚の中年の女のようになってしまうとは信じられない。酒とセックスと不規則な生活が24・5才で40女のように変わり果ててしまうのだ。
「さあ、来いよ。あたしも青姦は初めてだけどね。寝れば背中が痛くなるから立ってやろうか?」
 俺は平らな岩場にあぐらをかいて座った。そして手招きした。
「お前の膝の上かい。どれ最初は素股で……」
 カスミは俺と向かい合ってしゃがみ込むと俺の男根を自分の陰部に押し当ててから体全体を密着させた。ツンと立った乳房の先の乳首が俺の胸をくすぐった。そして笑ったような目をして俺を睨みながら腰をグラインドさせた。濡れた陰部が俺の竿や亀頭をヌルヌルと擦りたてる。
 そして全く手を添えずに腰の動きだけで俺の男根を膣の中に導き入れて行った。最初は亀頭が小陰唇を分けて膣口に入り、その後ぐいっと腰を入れて来て、一気に竿の根本まで飲み込んだ。
「ああぁぁ……って声出しても良いんだね。これを入れるとほっとするよ。お帰りなさい……じゃなくていらっしゃいませ……かな? ほら、あんたも腰使いなよ。女を喜ばせないと一人前の組織員になれないよ。あはは」
 まだ若いのにどこで覚えたんだ。えっ、もう何人ともやってるって? こんな良い体しててやらなきゃカビが生えるって? 待て待て。俺が腰を使うと尾てい骨や尻が岩に当たって痛いんだ。そっちでやってくれ。それに腰の使い方が絶妙だ。うまいよ、名人だ。
「馬鹿言ってんじゃないよ。どらそれじゃあ、本気で逝かせてやろうか」
 カスミは細身の体だが体力はある。それにセックスにやたら強い。腰を急激に動かして俺の男根はぐいぐいと膣の中でしごかれた。グイ。グイグイグイッ。グググググイ!
 そして俺の口に口を吸いつけて来た。腰を動かしながら口はそれとは独立した別の生き物のようにたっぷりと愛撫して来る。俺は下半身を攻められ脳が痺れ、口吸いで脳が溶けてしまいそうになった。
「なんだ。海野、組織員って筋金入りだって聞いてたけど、案外ちょろいもんだね。女を抱いたことないのかい?」
 そうだ。少なくてもお前のように自由奔放にセックスをしていたら組織員の仕事は勤まらない。だが、今は違う。この瞬間の今だけは、俺はお前の魅力を素直に認めて抱いているんだ。だが、この今はどこにも続かない。
 俺はカスミを仰向けに倒すと腰のピッチを更に速めてみせた。カスミの目が一瞬驚いたように見開かれ、その後閉じると口を大きく開けて、叫んだ。
「おーい、あたしはやってるよー! 組織の海野とやってるよーー! ああ、良い気持ちだ。気持ち良ーい。ぁぁぁああああ。逝くよ……逝く、逝くーーぅう」
 俺はカスミの中に一杯出した。俺の精液は無尽蔵にあるらしい。カスミは立ち上がると俺の頭を小突いた。
「いったい、あたしにお前の赤ん坊を生ませる積りかい? 中に出しやがって」
 そうはならない。俺は言った。俺もお前もこの後消えてしまうからだ。お前は俺と寝ることでちょっと他の皆に自慢したかっただけらしいな。だがそれでも実際の俺はひっかからなかった。これで満足だろう。俺もお前も。
 カスミが何か言おうとしたとき、すーっと彼女の姿は消えて行った。


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