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LADY GUN
【推理 推理小説】

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謎の女-1

 朝10時、俊介の運転で中央署を出発した。高速に乗りいなぎ市へ向かう。トンネルが多く、たまに見える太平洋に目を奪われる。
 「杏奈さんは海とか行くんですか?」
若菜が聞いた。
 「あんまり行かないわねぇ。特に最近は全然。だいたいこの歳になって水着着るのが恥ずかしいしね。」
 「え〜?杏奈さんスタイルいいじゃないですか。全然いけると思いますけど??」
 「無理無理!おばさんの水着姿なんて見せられないわよ。」
 「そうは思ってない人が最低2人はいそうですけどね。」
石山と俊介は杏奈の水着姿を想像していた。焦る2人はソワソワした。
 「石山さんはどんな水着を想像しましたか??」
悪戯心満載の笑顔で聞いた。
 「や、やっぱ黒のハイレグかな…」
 「や、やだ…」
恥ずかしがる杏奈。
 「角田さんは??」
 「白のビキニ…」
 「や、やめてよ〜!」
自分の水着姿を想像されていると思うと恥ずかしくなった。
 「あ〜、2人とも顔がニヤついてる〜!!」
 「そ、そんな事ないよ!!」
 「や、やだ…」
若菜はそんな3人を見てケラケラ笑った。
 「今度みんなで海に行きましょうよ。たまには、ね?石山さんだって杏奈さんのハイレグ見たいでしょ?」
 「ま、まぁね!ハハハ!」
 「う、海に行くのはいいですけど水着は着ません!!」
 「いいじゃないですか〜!杏奈さんの水着姿、見たぁい!」
そんな会話をしながらいなぎ市へと向かう。いなぎ中央インターを降り10分ほど走るといなぎ市中央署長に到着した。
 「みなさまお疲れ様でした。」
署長自ら出迎える。西川と南山も一緒だ。
 「渚ちゃ〜ん♪」
若菜が南山渚に手を振ると駆け寄ってきた。
 「上原さん!また色々ご指導お願い致します!」
 「うん!」
若菜と渚は2歳しか離れていない。しかし渚は若菜を尊敬している。若菜の指導を楽しみにしていた。一行は署長室に迎え入れられた。
 「上原警部補、昇格おめでとうございます。」
 「や、やめて下さい署長…。恥ずかしいから…。」
 「いやいや、その若さで素晴らしい。」
 「私なんかまだまだです。それよりここ一週間の状況は??」
西山が報告する。
 「上原警部補が捜査を終えお帰りになった翌日から再び治安が悪化しつつあります。強姦事件が増え街中では争いが絶えません。上原警部補が捜査してた時には収まりつつあったんですが、お帰りになった途端…。」
 「やはり私達の動きを掴んでるみたいですね。」
そして内密者の存在の疑いがある事と本日の捜査内容を説明した。
 「海沿いのパトロールはいなぎ市中央署の方にお願いできますか?私達は裏をかいていなぎ駅を中心とした繁華街を捜査しますので。」
 「分かりました。」
本日の夜の捜査は私服に着替えて若菜と杏奈と渚が一般人として街を徘徊する予定だ。石山と俊介は3人を影から警護する。昼間はここ一週間の状況を確認した。
 夕方18時、署員の自家用車で密かに署を出た渚を加えた5人。宿泊先のホテルもギリギリまで極秘だった。誰にもつけられていないか最新の注意を払いながらチェックインを済ませ部屋へ入る。そして私服に着替えてロビーに集まった。
 「宮下さん、ジーンズ似合いますね!!スタイルいいですね!」
渚が惚れ惚れしながら言った。
 「そんな事ないわよ…」
ポロシャツとジーンズが物凄く似合いカッコいい。杏奈はとてもじゃないが目の前の渚のように生足でミニスカートを履く度胸はない。私服にはあまり自信がなかった。


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