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キスマーク
【女性向け 官能小説】

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☆☆☆-5

不機嫌のままお店を出て
不機嫌のままタクシーに乗り
不機嫌のままマンションのエレベーターに乗った。

いい加減にしてよ。
こっちまで不機嫌になっちゃう。

舌打ちしたい気分を無理やり押し込めれば
エレベーターのドアが閉まった途端にキスをされる。

「優衣。お前はさ。キスマークが消えてないのに他の男のとこへ行くわけ?」

はぁ?

ブラウスのボタンを外して鎖骨の上にキスマークを無理やり付ける。

「なに?柳下に鞍替えしたか?」

何言ってんの?
それより離れなさいよ。カメラに写ってるってば!
「近頃やたらと柳下と仲がいいな?」
「・・・・」
「あいつ優しいもんなぁ」
「しずかよりはね」

離してほしくて背中をたたくけど
一向に離れない。

無理やり引きはがしたと思ったら
そこはしずかの部屋の階で
しずかが自分で離れたにすぎない。

「来いよ」

そう言って、引きずられるように部屋に入った。

リビングでソファーに座っていると
しずかが缶ビールを持ってきた。

「のむ?」
「いらない。無理やり飲みを終了させたの誰よ!」

その言葉を聞くと
苦笑いをしてどさっと私の隣に腰を下ろした。

「悪かったよ」

上着を脱いで軽くワイシャツを腕まくりする。
こいつは無意識に自分をかっこよく見せる『ワザ』を知ってる。

缶ビールを開け、一口飲んだ後
目をつぶって軽く息を吐きだした。

「ここ2日、ほとんど寝てないんだ」

あぁ。そうかも。
今日のための色々な準備で忙しかったんだろう。



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