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キスマーク
【女性向け 官能小説】

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-6

先日のこの居酒屋での事がよっぽど珍しかったらしい。
「しずかと?」
う〜ん。付き合っていると言えるのかどうか。
と、考えようとしたら
私がしずかと呼ぶ言い方がやっぱり珍しいらしく。

「加藤さんをしずかって名前で呼んでる人、初めて見ました」
と珍獣を見るように私を見る。

「そうなんだ」
この前も言われたけど、そんなにこの名前で呼ばせないんだね。

「みんなゲンって呼んでるんだね」
「同期以上はそうですかね。部下はそれも嫌がって。
俺らは加藤さんって呼んでます」

「へ〜」

「加藤さんは会社ではものすごく仕事が出来て。
どちらかと言うと穏やかなんですけど」
ちょっと待て!穏やか?しずかがぁ?
「上野さんの前では独占欲丸出しですよね」
男の子は可笑しそうに笑った。

「優衣。こっちこい」

しずかが大きな声で呼ぶけど、無視。

呼ばないでよ。
両端の女性の目が怖いんだってば。

「そう言えば、上野さんはトランペットをやっていたんですよね?」

そんなしずかの声に動じない様子で隣の男の子が聞いてきた。

「ええ。良くご存じで」



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