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キスマーク
【女性向け 官能小説】

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-5

「お。優衣。遅いぞ」
遅くて悪かったね。
帰ろうとしたんだよ。
とはいえず、なんとなくさっきの男性に腕を持たれたまま
入口付近の空いている席に腰を下ろす。

「なんだよ。こっち来いよ」
としずかは言うけれど。
あんた、あんたのそば空いてないんですけど?
おまけに両端の女性が睨んでるよ。

「いいよ。こっちで」
と苦笑いしてご辞退申し上げる。

別にこの飲み会に来たかった訳じゃないし
おまけに唯一の知り合いのしずかまで近くにいないんじゃ
全く来た意味が分からないんですけど。

この前、抱かれて。
なんとなく流されて。
その場の雰囲気で、こんな関係になっちゃったけど。
よくよく考えてみれば
どんな人かも、好きかも分からない。

だけど、気になるって言うのは本当で。
自分の気持ちを確かめに来たけど
こんなじゃ確かめることさえできやしない。

「はぁ」

軽くため息をつけば、さっきの腕を持っていた男が
「ビールでいいですか?」
と私の分も注文してくれたようで。
ジョッキを2杯持ってる。

「あ。ありがとう」

誰も知らないアウェーな中で
ちょっと優しくされて嬉しくなる。

「乾杯」

と二人で小さくカチャンと合わせて
二人で飲み始めれば、疲れた身体にビールが美味い!

「加藤さんとは付き合い長いんですか?」



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