B夏帆の性欲-2
夏帆はしばらくの間ケイコさんへタフを預けることにした。
自分の中で色々と心の整理をしたかったのもあったが、なによりタフと一緒に暮らす緊張感に、夏帆が耐えられなくなっていたからだった。
夏帆は久しぶりにタフと離れて暮らす日々を送っていた。一人きりの時間を取り戻した夏帆の心は次第に落ち着きを取り戻していく。
タフは夏帆の肉体を付け狙い、一刻でも早く夏帆を隷従させようとしていた。そんなオスの野獣がいなくなっただけで、こんなにも心が安定するんだと夏帆自身も驚いていた。
しかし、そんな平静と静寂の日々は長く続かなかった。平静と静寂はまもなく虚無と空虚に変わった。
夏帆はベッドの上で女性器を掻き毟る。クリトリスを摘んで捻り、アソコに指を突っ込んで掻き回す。そうして、夏帆は己の肉体を鎮めようとしたが、無駄だった。
夏帆の肉体が悲鳴を上げていた。平静と静寂の中で手に入れた夏帆の平穏は肉体の欲求によって壊されていく。肉体の欲求は次第に暴走を開始する。肉欲が夏帆の心を浸食し、歪ませ、肉体の甘い疼きが夏帆の脳を痙攣させる。
夏帆が欲しいのは、痛みともに訪れる悦楽、内臓をぶつけ合う快感、感情の混じらない交尾、混じりっけのない純粋な性交だった。
夏帆の頭に浮かぶのは赤黒いペニスだけ。
夏帆は知っていた、夏帆が望むモノを与えてくれるのは犬だけだった。
夏帆はインターホンを鳴らす。
すると、スピーカー越しに聞き覚えのある声が聞こえた。夏帆がその声に応えると、すぐにドアが開いて、夏帆を出迎えてくれた。
「お久しぶりです、ケイコさん。最近、全然連絡できなくてごめんなさい。」
「久しぶりね!いいよ、ほら、上がって!」
夏帆は出迎えてくれたケイコさんに軽く会釈して言うと、ケイコさんは笑って、そう応えてくれた。
夏帆は、ケイコさんに案内されて部屋に入り、テーブルの前にある椅子に座った。 ケイコさんは夏帆が椅子に座るのを確認してから、夏帆の向かい側の椅子に座った。
テーブルの真ん中に数種類のサンドイッチとソーセージ、それに色とりどりのチーズが盛られた大きなお皿とオレンジジュースの入ったグラスが置いてある。
「夏帆さん、今日は激しくなると思うから、しっかり栄養取っておいてね」
夏帆がサンドイッチにパクつき、オレンジジュースで流し込む。それが落ち着いた頃、ケイコさんが夏帆に話しかける。
「今日はタフくんとうちのブラウン、両方の相手、お願いね」
「はい、こちらこそお願いします」
夏帆がそう言うと、ケイコさんは満足そうな笑みを浮かべた。
「食事も済んだみたいだし、そろそろ行きましょう」
ケイコさんが立ち上がる。それに釣られて、夏帆も立ち上がった。