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夏帆の性欲
【獣姦 官能小説】

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B夏帆の性欲-1

「こんにちは、あなたが夏帆さんね。」
「はい、あなたが…ケイコさんですね?」
「ええ、そうよ。立ってるのもアレだし、ほら、座って。」

駅の小さな喫茶店で夏帆を出迎えてくれたのは、ケイコという30歳前後の女性だった。彼女は夏帆が何度も読み返した『ペットの犬と愛し合う方法』の作者であり、夏帆のだったひとりの相談相手でもあった。

夏帆はタフとの関係に悩んでいた。夏帆はタフを愛していたけど、タフの奴隷になるつもりはなかった。

夏帆は自分が自分の飼い犬のメスに成り下がるスリルを楽しんでいた。それは自分の飼い犬に犯され、墜ちていくスリルだったが、そんなスリルを楽しめるのも。夏帆がタフを愛していたからだった。

ただ交尾を重ねるうち、次第にタフと夏帆の間にある境界線が壊されつつあった。タフはあからさまに夏帆を支配しようとし、夏帆も少しずつだったが、タフに支配されようとしていた。

夏帆は危機感を覚えていた。この境界線が完全に壊されてしまったら、タフと夏帆の関係も壊れてしまう、夏帆はそう思い始めていた。


「うん、メールはちゃんと読んだよ。私なりの答えだけど聞いてくれる?」
「はい、お願いします。」

ケイコさんからの問いに、夏帆は静かにそう答えた。

夏帆はケイコさんと頻繁にメールでやりとりしていた。だから、ケイコさんは夏帆がどんな悩みを抱えているのかをよく知っている。しかし、夏帆とケイコさんの間でいくらメールのやり取りをしても、いい結論に達することはなかった。

実際に会って話をしようと提案してきたのはケイコさんの方だった。夏帆は最初会うのを渋ったが、結局会うことにした。

夏帆も実際に会うとなると、やはり警戒してしまうのだが、メールのやり取りの中でケイコさんが信頼できる女性だと思えたのもあったが、最大の理由はこのままだと夏帆とタフの間の関係が壊れてしまうという危機感からだった。

「ちょっと深く考えすぎてない?」
「ど、どういうことですか…?」
「あのね、なんていうか奴隷とかさ、支配とかさ、愛とかさ、深く考えすぎよ。もっと気楽に楽しんでみたら、どうかな?タフとのセックスは気持ちいいんだよね。それだけでいいんじゃないかな?」

ケイコさんは笑っていたが、目は真剣だった。夏帆はしばし沈黙していた。夏帆とタフの愛を否定されたような気持ちにもなったが、それでも、ケイコさんの言うことをすべて否定する気持ちにも慣れなかった。

「実はね、私の最初のパートナーは死んじゃったの。今飼ってるパートナーは、ブラウンっていうんだけど、二代目なの。」
「そうなんですか…。」
「ええ、そうなの。あのね、私、最初のパートナーが死んだとき、すごく悲しかった。でも、結局、ブラウンを飼うことにしたの。自分の悲しさを埋め合わせるためって言われたら、否定は出来ないけど、でも、後悔はしてないの。」

ケイコさんはそこまで言うと、椅子に座りながらグッと一度背伸びして、夏帆に言った。

「それで、深く考えないようにしたの。愛とかそういうのね、深く考えないように努力してるって感じかな。だから、あなたも深く考え過ぎちゃダメ。深く考えないで楽しむことに集中したらいいのよ。」
「はい…。」

夏帆はケイコさんの言うところをすべて理解したわけではない。ただ、ケイコさんが行った『深く考えすぎないで』という言葉だけがひどく印象に残っていた。


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