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疼くの……
【熟女/人妻 官能小説】

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深遠な疼き-3

 お風呂を沸かし、効き目が表れるまで早瀬さんとビールを飲んで話をした。
「昼間っから」
「いいでしょう。妻の追悼ということで」
(何だかおかしな感じ……)
追悼っていわれると、複雑な気持ちになってしまう。でも、どうやらセックスが大好きな奥さんだったようだし、私たちを引き合わせたと考えれば、それもありか。……

 これからセックスしようというのに楽しい雑談になった。ただ、秘裂は潤いに満ち、居ずまいをただしたりすると、とろりと溢れるほどになっていた。

 ビールが効いてきて、ほんわかと心地よくなってきた。
(でも、奥さんはなぜ、男性経験のことを隠したのだろう……)
失禁のことまで平気で話したのだから、思い出話として語ってもよさそうなものだ。それに、ご主人しか知らないとはっきり言った。貞淑な妻を装うにしてはセックスの語り口があまりにあっけらかんとしてそぐわない。認知症だったとしても、どうなのだろう。

「私も先ほどあなたから伺って考えていたんです。もしかしたら、妻の心にはずっと罪悪感があったのかなって」
「罪悪感……」
「私に対して申し訳ない気持ちが潜在していて、だけど肉体の欲求には抗えない。疼きを我慢できない。悲しい性に苦しんでいたのかもしれませんね」

(その潜在していた想いが晩年に現われた……)
奥さんは嘘をついたのではなく、本気で理想の妻だったと思い込んでいたのだろうか。そうありたかったジレンマが過去を消し去ってしまったのかもしれない。

「妻は高校の教師をしていましてね。そこの生徒とも楽しんだようですよ」
(あら、やだ……)
そこまで私と似ている。

「でも、早瀬さんは心が広いというか、よく受け止めてこられましたね」
「それは悩んだこともありますよ。しかし、彼女の心が揺らいだと感じたことは一度もありませんでしたね。それが理由でしょうか。彼女の心は私にある。それは揺るがない。信じることができました」
「信じていたんですね」
「セックスをすればわかります。体の奥の奥、それは心の深遠なところから疼いて私を求めてくるんですから」
真剣な表情で言って、
「あ、変なこと言っちゃって」
私は心地よい気持ちになって立ち上がると早瀬さんに寄り添って座った。

「あ……」
「どうしました?」
「きました。効いてきました」
ズボンの前が動くのが見えた。
「薬って、そんなに効くんですか?」
「人によってまちまちなようですが、私の場合この薬が確実に反応があります。初めは信じられなかったくらいすごいです」
「どのくらい効いてるんですか?」
「三日くらいは効いてますね」
「すごいですね。外を歩いてたりしてる時は困りますね」
「いえ、刺激があった時だけ反応しますから」
「じゃあ、いまは……」
「ありました。あなたの、刺激です……」
話をしながら下着まで濡れてきていた。

 そっと盛り上がった股間に手を置いた。ぐんぐんと跳ねる。貸し切り風呂では口に含んでもふにゃふにゃだったことを思うと確かにすごい。

「風呂が沸いたみたいです」
「ご一緒にいいですか?」
「ほんとに、いいんでしょうか」
私はすっかりセックスモードに入っていた。
「疼いちゃったんです」
早瀬さんが笑った。
「若かりし頃の妻と思っていいかな」
「そうしてください」
煙草のにおいの唇を合わせた。

「奥さまのこと、何て呼んでらしたんですか?」
そんなに唐突な質問でもないのに、早瀬さんは意外にも口ごもった。
「美弥子、ですが……ただ……」
「ただ?」
「セックスの時だけ、ミーちゃんと。いや、お恥ずかしい」
私は思わず笑ってしまった。
「可愛いですね」
「彼女は一回りも年上なんですが、セックスの最中は年下みたいに甘えてきて、いつからかそんなことを呼びかけていました」
「じゃあ、今日は私がミーちゃん。いいですね」
 早瀬さんは笑みを浮かべたまま目を閉じて小さく吐息した。
「なんだろう。この温かい柔らかな気持ちは。ほんとに昔の妻といるように思えてきました」
心からの悦びが私に伝わってくる微笑みだった。

 お風呂場へ行きかけて、私は訊いた。
「奥さまは早瀬さんのことを何て?」
「何て、というと?」
「呼び方ですよ。奥さまは何て呼んでらしたの?」
「え?いや、いいですよ、そんなこと」
「だめですよ。教えてください。私じゃなくて奥さまが呼ぶんですから」
いやがるのを聞き出した。
「良一なので、りょうちゃん……」
「りょうちゃんとミーちゃんね」
早瀬さんは私を抱きしめると嗚咽を洩らしはじめた。
「ありがとう。水口さん」
「ミーちゃんですよ」
私の体はもはや立っていられないくらい感じていた。


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