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LADY GUN
【推理 推理小説】

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LADY GUNを手にする日-3

 石山は若菜が復帰してから、送った時には必ず仏壇に手を合わせて行くようになった。
 「いつも悪いわねぇ、石山さん。」
コーヒーを出す麗子。
 「家の前まで来て知らんぷりして帰れませんよ。2人には思い入れがありますから。上原さんには世話になったし、皆川にはいつも気をかけていたし。ここに来ると2人に会えるような気がして嬉しいんですよね。」
コーヒーを飲みながら笑みを浮かべる石山。
 「石山さんて結構律儀??」
悪戯っぽく笑う若菜。
 「どうかな?ハハハ!」
照れ臭そうに笑った。
 「石山さんが若菜を見ていてくれるから私も安心なんですよ。」
 「いえ、そんな…」
頭をかく石山。若菜は麗子と話す石山をジーッと見つめる。
 「石山さんて、お母さんと話す時、緊張してるんですか??」
いつも思っていた。何となくソワソワしているというか、落ち着かない仕草を見せていた。
 「いや、お母さん、綺麗だから緊張しちゃうんだよ。ハハハ!」
 「まぁ♪」
嬉しそうな麗子。
 「え〜?石山さんて美魔女好き??」
 「そ、そんなんじゃないよ…!」
 「メッチャ動揺してるじゃないですか!?え〜、マジ〜?」
 「し、してねぇよ!」
そんなやりとりを見ていて笑う麗子。まんざらでもない様子だった。
 「未亡人と言え、家にはもし自分が死んでも寂しい思いをさせないようにってお父さんが残してくれた可愛い小さな子供が2人いるんですからね!?寂しさにつけ込んじゃダメですからね!?」
 「だからそんなんじゃねぇっつーの!!」
石山もむきになる。
 「しかし上原さんはそこまで考えてお子さんを残したんですか…。かなわないなぁ。」
石山が感心すると麗子が言う。
 「ん?違うわよ?」
 「えっ?」
太一と華はそんな思いから父がこの世に残した優しさだと信じていた若菜。それがあっさりと崩れ去る。
 「いやぁね、あの時は私、燃えちゃってね、ついついお父さんの上で熱くなっちゃってね。いつまでも興奮しちゃって気づいたら…出ちゃってたのよぉ〜!同じこと何回もしちゃってさぁ。予定外に2人も産んじゃっただけなのよ〜。ウフフ!」
 「へっ…?」
 「…」
唖然とする若菜と恥ずかしくなり下を向く石山。まさか母がそんなイヤラシイ話を人前でするとは思ってもいなかった。それは石山も同じである。
 「だからあんたがエッチなのは私の遺伝ね!石山さん、この子ねぇ…」
 「ダァーッ!言うなぁっ!!」
慌てて麗子の口を塞ぐ若菜。
 「あっと、もうこんな時間だ…!わ、私もう帰ります…!」
石山はそそくさと帰って行った。見送った後、ニコニコしながら若菜に言った。
 「若菜のスケベは私ゆずりだから心配しないでね?」
 「何のこっちゃ!?」
若菜は顔を赤くして部屋へ籠もる。
 「聞かなきゃ良かった…」
太一と華を父からの素敵なプレゼントだと思い続けていた若菜はショックで夜も眠れなかった…。


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