LADY GUNを手にする日-11
静香のがいつも飲んでいたブラックコーヒーを初めて飲んでみた。そして静香がよくしていた真似をして、手すりに腰掛け窓に振り返り遠くを見てカッコつけてみた。
「に、苦っっ!!」
思わず吐き出しそうになった。
「こんな苦いのを良く普通に飲んでいたもんだわ、先輩は…。」
ある意味それも尊敬だった。そんな若菜に石山が寄ってきた。
「上原、探したぞ?今日はどうする?すぐ帰るか?」
「石山さんは今日は遅いんですか?」
「ああ。21時頃になりそうなんだが、先に送ってくか?」
「わざわざいいですよ。まだ15時だし電車で帰ります。」
「そうか。分かったよ。今日はゆっくり休めよ?あ、それとな、明日休みを取っていいと署長が言ってたぞ?ご褒美だとさ。」
「えっ?いいんですか?」
「ああ。その代わり休みが明けたらしっかりと働いて貰うからなだってさ。田口の捜査の指揮をお前に任せる予定なんだとさ。」
「えっ?私が…?」
「ああ。責任重大だな!ま、お前なら出来るよ。」
若菜は表情を引き締めて言った。
「いえ…、私にしか出来ません。」
石山は驚いた顔をしたが、すぐにニコッと笑い言った。
「言ってくれるね〜!その通りだ。頑張れよ?」
「はい。」
若菜は署を後にし電車で自宅に戻り霊前で優勝した事を報告した。
若菜の新たなる人生はLADY GUNと共に歩んで行く。若菜の本当の意味での人生は今からが始まりだったのかも知れない。その長く険しい道のりの先にある田口徹という巨大な敵を若菜はしっかりと見据えている。